2002年7月5日
−西部最大の都市、輸送機械産業の一大拠点からの考察−
○近年中国では、農村経済の改善が最大の課題となっている。農村人口の65%は中西部に集中しており、特に西部のテコ入れが急がれている。そうしたなか西南部に位置する「重慶」は、四川省の成都や陝西省の西安と並び注目を集めている。総人口は約3千万人、人口約600万人の西部最大の都市部を抱え、都心部の平均所得は1,500〜2,500ドルと東部沿海部並みである。しかも、輸送機械産業の蓄積も大きい。一方、重慶の人口の8割は農村に住んでおり、中国の農村問題の縮図となっている。
○このところ、重慶を含め西部見直しの機運が見られる。西部、特に重慶のある西南部の一人当り所得は、都市部に限れば、東部沿海部に比べて決して低いものではない。投資コストも、ASEANなどに比べて、中堅エンジニアや中間管理職の賃金は最も安い水準にあり、土地や公共料金も遜色ない。三峡ダム建設に伴う長江の輸送能力の改善は、ネックとなっている輸送コストを大きく引き下げる可能性がある。
○WTOへの加盟によって、足元、輸入品が急増して生産にダメージを与えるといったことはなかったが、海外や東部沿海部との競争が厳しくなりつつある。東西格差は、しばらく拡大を続けるようだ。ただし、西部全体が取り残されるとは考えにくい。
○今後の課題は、大都市を中心に地域間の補完・連携関係を強めることで、西部の中に独自の雁行的発展メカニズムを作ることであろう。それには重慶、四川省を中心とする西南部の経済圏、それに西北部の経済圏を強化することが重要だ。なかでも重慶は水上輸送のハブとして西部を代表する海外との結節点になる可能性があり、ここを西部の窓口にできるかどうかが、西部大都市の発展に続く西部全体の浮揚に大きく影響すると考えられる。
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