2002年12月10日

ロシア経済は回復を持続できるか

〜 1998年の通貨危機から立ち直るロシア経済 〜


1.ロシアが計画経済から市場経済への移行を開始してから10年が経過した。1990年代前半のハイパーインフレーションや経済成長率マイナス転落、1998年のロシア危機、といった苦境を経て、ロシア経済は足元で回復傾向を続けている。経済成長率は1999年以降、3年連続でプラスとなっている。

2.1998年に発生したロシア危機の後、ロシアの景気は大きく後退した。しかし、為替相場下落で国内産業が息を吹き返し、また、国際原油価格上昇に支えられ、石油関連産業主導でロシアの生産・輸出が回復したため、2000年には経済成長率が9%にも達した。ロシア経済の中核を担っているのは資源・エネルギー産業であり、ロシアは世界第3位の産油国であるとともに、天然ガスの生産でも世界最大級である。今後もロシア経済は基本的に資源エネルギー産業への依存が続き、景気は原油価格動向に影響されるものと見られる。

3.ロシア危機後の景気回復と政治・社会情勢安定をうけて、大都市を中心に消費ブームが沸き起こり、国内消費が高成長を続けている。ロシアの小売売上高の伸び率は欧州でも最高水準と見られており、小売・外食関連の外資系企業のロシア進出も目立っている。

4.石油関連収入への依存度が高いロシア政府の財政は、原油価格上昇が追い風となって大幅な黒字となっている。しかし、原油価格が大きく下落した場合、財政収支は悪化し対外債務の返済に支障が出る可能性がある。

5.2000年3月のプーチン政権誕生後、ロシアの国内政治は秩序と安定を回復し、懸案となっていた経済改革のための法案が次々に成立している。2004年のプーチン大統領再選が有力視されており、当面、国内政治の安定と経済構造改革の進展が期待できる。

6.今後のロシア経済は、原油価格が大幅に下落しないかぎり、底堅く推移するものと予想される。しかし、ロシア経済は、鉱物資源依存型の産業構造や金融セクターの脆弱性、中小企業育成の遅れ、といった構造的な問題を抱えており、これらの課題を解決しないかぎり、中長期的に高い経済成長率を維持することは難しいと見られる。

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