2005年4月26日

人口動態からみる関西・日本経済の長期動向


○2007年から日本の人口は減少に転じる見込みである。関西では、全国より早いペースで人口の減少に転じる可能性がある。こうしたなか、人口動態が関西経済に与える影響はどのようなものであろうか。

○関西のGDPが、全国に占める現在の割合(実質GDPの全国比16%)を維持していくという前提条件を置き、各年齢における就業構造が変化しないと仮定し推計したところ、2010年にGDPで4.2兆円、就業者数で44.7万人不足し、2020年にはGDPで10.5兆円、就業者数で99.5万人の不足となった(⇒仮定(1))。

○そこで、60〜64歳男性の労働力率を90%に上昇させ、2005年時点の40〜54歳女性の就業者が64歳までほぼ同数になると仮定し、加えて、30〜39歳女性の労働力率が40〜44歳女性と同率となった場合では、2010年にGDPで0.6兆円、就業者数で7.0万人の超過となる。しかし、2015年にはGDPで2.9兆円、就業者数で29.1万人の不足に転じ、2020年には不足幅はさらに拡大する(⇒仮定(4))。こうした対策の総動員による労働力率の向上、もしくは一層の生産性の向上や海外労働力の受入がなければ、成長率は前提条件で示した姿を下回ることとなる。

○関西の人口動態を、全国や他の都市圏と比較してみると、25〜29歳人口の減少が特に大きいことが特徴である。1975〜1980年にかけては、特に25〜29歳人口だけでなく30〜34歳人口も大きく減少している。こうした過去の現象が現時点へも大きく影響しており、低迷が続いた要因と考えられる。また、仮定した対策が2010年までは、関西は全国比で相対的に有効であるのに対して、2015年には全国比で効果が小さくなるのも、この期間の影響が大きい。

○持続的な経済成長を行うには、生産性の向上が最も必要であるが、就業者数を維持することも重要である。関西では、高齢者や女性の雇用促進も重要であるが、社会減が続く現状から早期に脱する必要がある。限られた労働資源を有効に活用していくとともに、関西経済の活力を取り戻すためにも、(1)若年層の転出を減らし(2)域外からの労働力の確保を促進させていくべきである。

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