2005年5月6日
〜 ASEANの大国は復活するか 〜
1. インドネシアでは、昨年10月に同国初の国民直接投票による大統領選挙が大きな混乱もなく終了し、国民に人気の高いユドヨノ候補が順当に当選を果たした。このため、政治社会情勢が安定感を増し、今後の経済成長加速への期待が高まっている。
2.インドネシアは、近年新興市場国として注目されつつあるブラジルやロシアを上回る世界第4位(2億人)の人口を有しており、今後、政治社会情勢の安定を追い風に巨大な消費財市場として注目を集めるものと期待される。実際、インドネシアでは、個人消費が好調に推移しており、オートバイの販売台数では、中国、インドに次ぐ世界第三位の市場に成長している。
3.しかし、近年、インドネシアの経済成長率は、1990年代半ばの高成長期と比べて半分程度に低下している。その原因は、工業の伸びが大きく鈍化していることにある。工業不振の背景として、外国からの直接投資が大幅に減少していることがあげられる。ASEANの大国インドネシアが高度経済成長軌道に復帰するためには、工業セクターへの直接投資流入拡大を図る必要がある。
4.直接投資流入拡大のカギを握るのは投資環境の改善である。課題のひとつであるインフラ整備については、既に国際機関や諸外国からの支援が表明されるなど、道筋が見えつつある。もうひとつの大きな課題である汚職撲滅などのガバナンス改善にユドヨノ政権が今後どう取り組むかが試されようとしている。
5.中国の台頭は、インドネシアにもメリットをもたらしている。インドネシアの対中貿易は拡大を続け、対中貿易収支は黒字で推移している。インドネシアは、鉱物資源関連の加工品などを中心に対中輸出を伸ばしており、今後も、中国を中心とする東アジアの生産ネットワークの中で、中国との補完関係を維持し共存共栄を図ることが可能だと考えられる。
PDFファイルで
図表入り全文を提供しています。(90KB)