2005年7月1日
〜外資の注目を集めるロシアの個人消費市場〜
1.ロシア経済の最近の好調ぶりに世界の注目が集まっている。ロシアの実質GDP成長率は1999年以降6年連続でプラスとなり、2004年は7.1%と高い伸びを記録した。好調な個人消費が景気拡大の牽引役となっている。
2.ロシア経済の高成長の主因は原油高である。輸出の5割強がエネルギー資源であるため、原油高による貿易黒字急拡大で外貨準備が積み上がり、これが、流動性を増加させ、消費・投資拡大をもたらしたと言える。政府財政収支も原油輸出税増収により大幅黒字となった。政府は、原油輸出税収入の一部を対外債務返済に充当しており、ロシアのソブリンリスクは低下している。
3.ロシアの個人消費拡大の底流には、旧ソ連時代のペントアップディマンド(封じ込められていた需要)の顕在化がある。また、最近の個人消費好調を支える要因として、良好な雇用・所得環境、ルーブル為替相場安定による資金退蔵(ドル逃避)減少で消費支出が増加したこと、さらに、2001年の個人所得税引下げにより可処分所得が増加したこと、などが考えられる。
4.ロシアは、世界最大の国土と1億4千万人の人口を有する大国であることから、拡大を続ける個人消費市場への外国企業の関心が高まっている。乗用車販売が好調なことから、トヨタが日本メーカーの先陣を切ってロシアでの工場建設を開始した。日欧の自動車メーカーのロシア進出加速が予想されるなど、ロシアの個人消費市場を狙った投資は今後も拡大するとの見方が強い。
5.ロシア経済の高成長は、原油価格が下落すれば維持できなくなる可能性が高い。また、ロシア経済は、工業設備老朽化、人口減少など、中長期的に潜在成長率を押下げるリスク要因を抱えている。今後も高成長を続けるには、構造改革による生産性向上や産業多角化が必要である。
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