2005年10月17日
〜ドル安の懸念は後退したのか〜
1.米国の経常収支の赤字は2005年4-6月期に1,957億ドル(年率換算で7,828億ドル)となり、前期に次いで過去2番目に高い水準となった。経常収支の赤字の内訳をみると貿易・サービス収支の赤字が1,733億ドルと、経常赤字全体の約9割を占めた。こうした経常収支赤字は海外マネーの流入によって穴埋めされている。
2.海外マネーは、(1)米国債の最大の投資家、(2)住宅投資や設備投資などの投資の原資、(3)ドル相場を左右する存在、としてその動向が極めて重要である。
3.米国の経常収支の赤字と海外からの資本流入が持続する中で、対外負債残高も拡大している。過去2年では対外負債残高の拡大に伴う利払い負担の増加により、所得収支は黒字幅が縮小し、2005年4-6月期には赤字となった。仮に所得収支の赤字が継続すれば、経常収支赤字が一段と拡大し、対外赤字の持続可能性への懸念からドル安圧力が強まる恐れもあり注意が必要である。
4.海外マネーについては、量的な拡大だけでなく、質的な面で変化の兆しもみられる。すなわち、(1)資本の供給主体として、02〜03年に弱含んだ民間部門が堅調になってきていること、(2)資本の供給国・地域として、アジアのみならず、原油高の恩恵を受けた中東諸国が再び存在感を高めていること、が指摘できる。
5.足元でドル相場が上昇傾向にあるが、ドル高は米国の経常収支赤字や対外純負債をさらに増加させる方向に働く。このため、米国の対外赤字をどのようにファイナンスするのかという問題は今後一段と大きな課題であり、中長期的なドル安リスクは依然として残っているとみられる。
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