2001年12月13日

アジア経済見通し:2001−2002

曇天に薄日の差す展開--けん引役なき弱い回復


<要旨>

アジア経済2001

2001年の世界経済は総崩れとなった。米国が景気後退局面に入り、欧州主要国とアジアの一部も実質的なリセッションに陥った。2000年秋までの世界同時好況を支えた「IT依存・米国一極集中」の歯車が急速に逆回転を始めたのである。

「世界のIT生産拠点」として台頭し、米国向け輸出で好況を享受してきたアジア経済もITブームの終焉と半導体市況の急落で底割れとなった。2001年のアジア全体の実質GDP(国内総生産)成長率は、前年の7.6%から3.4%とほぼ半減した。(中国を除くベースではわずか0.7%)。かつて「アジアの4頭の虎」(エズラ・ヴォ―ゲル)と称されたNIEs(台湾、シンガポール、香港、韓国)への打撃は大きく、前年の8.3%成長から一転してゼロ成長(プラス0.1%)となる。台湾は、過去40年で初めてのマイナス成長に陥る見込みだ。一方、中国は、海外からの活発な投資と積極的な公共投資で7%台の成長を維持し「ひとり勝ち」を続けた。

アジア経済2002

2002年のアジア経済は、全体としては2001年よりも明るい。しかし、目を見張るような回復にはならない。アジア全体の成長率は、4.7%と見込んだが、中国を除くベースでは2.9%にすぎない。

2002年前半のアジア経済には明確なけん引役は見当たらない。米国経済の回復がアジアにはっきりと波及してくるのは、後半になりそうだ。中国はなお高成長を続けるが、前年までの勢いはない。

2002年1−3月期は、前年のトレンドを引きずって輸出の停滞が続くだろう。在庫調整も進行する。しかし、米国の景気が底を打つとみられる4-6月期以降は輸出が下げ止まり、10-12月期には生産も復調の兆しが強まる。しかし、設備投資が本格的に動き出すにはなお時間がかかる。シリコンサイクルからみてもIT需要の本格的な回復は2003年に持ちこされそうだ。

経常収支は減少傾向にあるが黒字は維持される。為替レートが大幅に下落する国・地域はないとみた。原油価格の安定により、物価は引き続き安定。個人消費は比較的底堅い。

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