2003年2月20日

日本経済の中期見通し(2003年度〜2007年度)

〜少子高齢化社会への適応を図る日本経済〜


○日本経済の中期的な成長率に影響を与える要因として、少子高齢化の進展と設備投資の低迷という二つが重要であろう。この二つの要因の分析によって見通される日本経済のこれからの姿は、上昇あるいは下降といった中期的な一方向のトレンドを続ける経済ではない。かわりに浮かび上がってくるのは、低い成長レンジで短期的な変動を繰り返す日本経済の姿である。

○2003年度から2007年度までの成長率を平均すると実質+0.8%という低い伸びにとどまると予測される。2003年度は設備投資の下支えにより年度半ばまでは景気回復が続くが、それ以降は後退局面に入るため、2002年度よりは成長率が低下する。2004年度は前年度後半からの景気後退が本格化するため、成長率はマイナス領域に入ってくる。2005年度になると景気は後退から再び回復に転じ、2006年度には回復力が増してくる。2007年4月に消費税率の引き上げ(5%→7%)を想定しているため、2006年度は駆け込み需要によって成長率が高まる。もっとも、2007年度にはその反動から成長率は大幅に鈍化する。

○予測期間を通じて少子高齢化がさらに進展し、個人消費の高い伸びは期待できない。また、設備投資は企業収益に連動して比較的短い変動を続け、中期的な盛り上がりは期待しにくい。さらに、財政再建への取り組み、不良債権の処理、過剰ストックの削減が続けられるが、すぐに問題が解消するわけではない。

○しかし、少子高齢化が進み、日本経済が成熟型社会へ移行すると考えるならば、もとより個人消費の高い伸びや、生産量の拡大を目的とした設備投資の急速な拡大は期待できない。そう考えてみると、本見通しで示された成長率のイメージはそれほど悲観的な結果ではない。また、財政構造の改革、不良債権処理、過剰供給力の解消といった問題は、解決に向けて着実に対応しているかどうかが重要であり、解決に時間がかかることはある程度甘受しなければならない。大事なことは少子高齢化社会の到来という不可避の環境変化に対応した、効率的で生産性の高い経済社会の構築をきちんと進めていくということである。そして成長率の高さを競うのではなく、安定的な成長を実現することが重要となってこよう。

○消費税率引き上げを想定している2007年度を除けば、予測期間を通して物価の下落が続く。ただ、少子高齢化時代に適応した成熟型社会への移行が円滑に進んでいる限り、物価上昇率がプラスかマイナスかという問題はあまり重要ではないであろう。

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