2004年12月10日
景気は減速しており、すでに後退局面に入った可能性もある。2004年7〜9月期の実質GDP成長率は前期比+0.1%であった。4〜6月期は前期比−0.1%と小幅ながら5四半期ぶりのマイナス成長であり、2004年度前半はほぼゼロ成長が続いている。
・連鎖方式の導入〜実質成長率が過去にさかのぼって下方修正されたが、これまで過大に評価されていた実質成長率が適正なレベルに近づいたと考えるべきであろう。
・弱めの景気指標〜輸出、生産さらに個人消費の関連指標などにおいて景気の減速を示す数字の発表が続き、景気の先行きに対する懸念が高まっている。
・為替や原油の動向〜為替は、前回見通し作成時よりもドル安が進行しており、目先の想定水準を円高ドル安にシフトさせているが、2005年度には「やや円安方向」との予測は変わっていない。原油は、前回見通し作成時にすでに55ドルを突破し史上最高値を更新していたが、その後は予想どおり落ち着いてきている。
2004年度の実質GDP成長率は+1.8%と3年連続のプラス成長、また名目成長率は+0.6%と2年連続のプラス成長が見込まれる。ただし、景気は徐々に減速してきており、年度後半は景気の調整色が強まってくると予想される。
2005年度は前年度からの景気調整局面が続くが、年後半には持ち直してくると予想する。実質GDP成長率は+0.6%と4年連続のプラス成長を見込むが、名目成長率は−0.4%と3年ぶりのマイナス成長になると予測する。
日本経済の先行きに対する基本的な見方は前回見通しと変わっていない。すなわち、海外景気の減速など「循環的な下押し要素」が働いて、輸出、生産、さらに設備投資が減少し、調整局面が続く。しかし、企業の財務体質や収益力の向上など「構造的な押し上げ要素」があるため調整は深いものにならず、2005年後半には、世界景気の持ち直しとともに日本の景気も再加速してくる。個人消費は、個人所得が拡大しないという「潜在的な不安要素」が残るものの、経済は最悪期を脱したという安心感もあって底堅さは維持するであろう。
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