〜05、06年度とも実質2.7%成長に〜
1.05年7〜9月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比0.2%、同年率1.0%となった。4〜6月期からは低下したものの、在庫投資の大幅な減少や輸入の拡大が成長率を押し下げた面も大きい。輸出は拡大しており、個人消費や設備投資も底堅い。
2.前回経済見通し(11月14日発表)以降の動向をみると、GDP統計については、04年度の確報が発表され、基準年が変更された(95年基準→00年基準)。推計に新たなデータ(00 年産業連関表や国勢調査など)が用いられていることに加え、今回は「持ち家の帰属家賃」の推計方法などが変更されている。その結果、新基準のGDPの水準は、旧基準に比べ大幅に下方修正されることになったが、成長率に大きな変更はみられなかった。
3.一方、10月以降の景気指標をみると、強めの推移を示すものが多い。輸出の拡大が続いているほか、雇用の増加が鮮明になり、出遅れ感のあった個人消費は勢いを増している。在庫調整についても、全体でみれば、一巡しており、11、12月の生産計画は堅調なものとなっている。こうしたなかで原油価格は、落ち着きをみせ、為替相場は円安が進んでいる。
4.以上を踏まえた景気の先行きに対する見方は、基本的に前回見通しから変わっていない。在庫調整が一巡し、IT関連需要や海外景気の再加速が期待されることに加え、建設投資循環が上向いており、投資採算の改善などから設備投資の本格回復も見込まれる。企業部門の好調持続で雇用・所得環境の改善が続き、個人消費も堅調に推移するとみられることから、景気は06年度上期にかけて拡大ペースを速めてくると予想される。
5.一方、消費者物価・コア(生鮮食品を除く総合)は前年比プラスが定着してこよう。日銀は06年5月に日銀当座預金の引き下げを開始し、7月に量的目標の設定を解除し、10月には、ゼロ金利解除を実施すると見込まれる。こうした過程で長期金利が年央にかけて上昇基調となり、ドル円レートは06年春先以降、円高に転じ、株価も夏場以降、弱含みとなろう。景気の拡張期間は「いざなぎ景気」を越えると予想されるものの、海外景気が06年秋以降鈍化することもあり、直後に後退局面に入るとみられる。
6.実質GDP成長率見通しは、05年度については、年度上期の公共投資が上方修正されたほか、足元の個人消費が堅調なことなどから、前回見通しの2.6%から2.7%に上方修正したが、06年度については2.7%と、前回予想を据え置いた。消費者物価・コアについては、今年度見通しが前年比ゼロと、前回から変わらないものの、目先の円安が想定以上とであることの影響を考え、06年度については、前回の前年比0.4%から0.5%の上昇に上方修正した。
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