2006、2007年度改訂経済見通し

〜07年初めまでは堅調に拡大。その後の後退も軽微〜


【要 旨】

1.日本経済は、若干のスピード調整をみせながらも、引き続き上昇基調にある。成長率は06年1〜3月期に減速したものの、個人消費が05年末にかけて急増した反動による分もあり、先行きを懸念させるものではない。内閣府の景気合成指数(CI)一致指数も、四半期ベースでみると、上昇が続いている。一方、CI・一致指数や日銀短観の業況判断DIの水準は、景気が正常な経済水準までの「回復」を終え、既に「拡大」局面へと移行していることを示している。

2.景気の原動力となる輸出の増加を支える世界経済については、拡大基調が続く可能性が大きい。在庫循環も調整局面を抜け出し、意図した在庫積み増し局面へ向けての動きが強まりつつある。また、10年周期で繰り返す中期の設備投資循環は、足元で上昇局面に入ろうとしている。投資採算の改善やデジタル家電、乗用車などの耐久消費財需要を背景に、今後中期的に設備投資が加速して行く可能性は大きい。さらに、20年周期といえる長期の建設投資循環は、既に03年頃より上昇局面に入っているとみられる。06年からは、地価の上昇という、新たな建設投資循環の本格化の要因が加わってきている。景気は堅調な拡大となろう。

3.需要項目別には、輸出の堅調な推移が続こう。米国景気は、住宅の資産効果の縮小や原油高の影響が家計部門で表れてくるとみられるが、在庫循環が上向いており、均せば巡航速度の成長が見込まれる。欧州も06年中は堅調に推移し、アジア景気の拡大も予想される。これまでの円安も、輸出を支えることになろう。一方、在庫調整一巡や輸出の増加により、生産の拡大が続き、増益率も高まり、投資採算が改善している。設備過剰感も払拭されており、設備投資の増勢は加速しよう。雇用拡大に加え、ボーナスの増加などから所得環境の改善が明確化し、個人消費も堅調に推移するとみられる。また、住宅投資も増加基調が持続すると見込まれる。所得拡大や団塊ジュニアの1次取得の後押しがあるなかで、ローン金利上昇に伴う駆け込みに、地価の先高観が加わって、堅調な推移となろう。

4.消費者物価コア(生鮮食品を除く総合)は、需給ギャップの改善を受けて、前年比上昇幅の拡大が予想される。景気や物価の強めの動きを受け、日銀は06年7月にゼロ金利を解除し(コール翌日物レートを0.25%に引き上げ)、さらに、10月には、追加利上げに踏み切ると予想している(0.50%に引き上げ)。こうした中、日米のマネタリー・ベースの伸び率格差などを背景に、為替相場は円高基調で推移しよう。

5.景気の拡張期間は、戦後最長の「いざなぎ景気」の57カ月を超える可能性が大きいが、金融政策変更の影響に、海外景気の鈍化、定率減税の廃止等も加わり、07年初をピークに、軽微な後退局面に入ることになろう。実質GDP成長率は、06年度は2.9%と、3%弱の成長となるが、07年度は、秋にかけての弱めの動きを映し、成長率は1.7%に低下しよう。ただ、日本経済が中長期的な上昇局面に入り、地価も上昇に転じていることから、後退は軽微となろう。

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