2006、2007年度改訂経済見通し

〜07年初めまでの拡大の後、軽微・短期の後退に〜


【要 旨】

1.日本経済は、足元で若干のスピード調整を見せながらも、設備投資の力強い伸びに牽引されて、緩やかな拡大軌道にある。生産活動は活発であり、景気は、水準から見ても、「回復」を終えて、既に「拡大」の領域に入っている。景気先行指数(内閣府CI)は、06年内における拡大の持続を示唆しており、今回の景気の拡張期間が、11月で戦後最長のいざなぎ景気を超える可能性は高いと考えられる。

2.しかし、原油高騰や金融引き締めの中、世界景気の先行指数(OECD景気先行指数)は減速傾向を鮮明に示しており、06年10-12月期以降に予想される海外経済の減速が、今後日本経済にマイナスの影響を及ぼしてくるのは不可避であろう。日本経済は、「いざなぎ超え」を果たした後、07年初まで拡大し、その後、同年秋頃までの軽微で短い景気後退に入るだろう。

3.07年の景気後退が軽微で短期的に終わる理由は、以下の4つである。すなわち(1)世界経済の減速がさほど厳しくならず、ソフトランディングになるとみられること、(2)日本経済自身が足元でデフレ脱却といえる状況になっており、これが企業や家計の景況感を下支えすること、(3)設備投資が、空前の投資採算を背景とし、将来の耐久消費財需要の増大を見込んだ中期循環の上昇局面に入っていること、(4)地価の上昇が、都市の再生や団塊並びに団塊ジュニアの住宅取得、それに工場の国内立地を中心とする建設投資の長期循環の上昇を本格化していくこと、である。

4.海外景気も、目先は底堅い推移が見込まれる。米国経済は、設備投資が伸びを高め、7-9月期は再び成長率が高まることになろう。また、欧州も、7-9月期までは堅調に推移するとみられ、高成長の中国をはじめ、アジア景気の拡大も続くと予想される。これにより、4-6月期に伸びが鈍化した日本の輸出は、7-9月期には一旦勢いを取り戻そう。また、IT関連需要の底堅い推移も見込まれ、年内は、生産活動の拡大基調が継続されるとみられる。企業収益は、企業の慎重な見通しを上回り、06年度については、むしろ増益率が高まることになろう。投資採算の一段の改善などから、設備投資は増勢が加速し、06年度は2ケタ増になると予想される。

5.個人消費は、天候不順にもかかわらず、健闘を見せている。雇用や所得環境の改善が続き、個人消費の底堅い推移は、06年度中は続くことになろう。また、住宅投資は地価上昇などを背景に、目先は強めの推移が見込まれる。公共投資を中心に政府支出の減少が見込まれるが、輸出に加え、設備投資を中心とした民間需要の拡大から、06年度の実質成長率は3.0%となり、05年度に続く3%台成長を記録しよう。

6.消費者物価コア(全国・生鮮食品を除く総合)は、需給ギャップの改善を受けて、前年比上昇幅の拡大が予想される。基準年変更を経ても、足元で0.5%程度の上昇が確保され、先行き1%の上昇が視野に入ってくると見込まれる。足元の景気や物価の強い動きを受け、日銀は、10月末に追加利上げに踏み切ると予想される(無担保コールレート翌日物金利の誘導目標を0.50%に)。

7.06年10-12月期から、海外経済の減速が見込まれ、加えて、量的緩和・ゼロ金利の解除に続く、追加利上げの影響もあり、日本経済は、07年初め頃をピークに景気後退局面に入るとみられる。ただし、後退は軽微なものにとどまり、07年度下期には、建設投資・設備投資の中長期的な上昇局面が続く中で、再び力強い景気拡大に転じるとみられる。07年度の成長率は、1.7%と予想されるが、中長期的にみた日本経済の復活の中での一時的な調整期という位置づけとなろう。金融政策については、追加利上げは見送りとなるが、軽微な後退にとどまることから、利下げにも至らないとみられる。07年度下期には、08年度以降の利上げ再開が視野に入ってこよう。

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