〜06年度中に軽い景気後退局面入りも、07年度下期に再拡大へ〜
1.06年7〜9月期の実質GDP成長率(2次速報)は、前期比0.2%、同年率0.8%となった。 1次速報(同0.5%、同年率2.0%)から下方修正され、成長率は2四半期連続で減速している。国内最終需要が落ち込む中で、輸入減が成長率を押し上げた上、在庫投資が増加しており、先行きを懸念させる内容といえる。また、05年度の確報が発表され、一部、推計方法の見直しも行われた。これらにより、05年度の成長率が大幅に下方修正され、06年度の「成長のゲタ(発射台)」が縮小し、さらに、06年4〜6月期、7〜9月期の前期比ベースの成長率も下方修正されたことで、06年度全体の成長率が押し下げられることになる。
2.一方、10月以降の景気指標をみると、鉱工業生産は上振れしている。ただ、IT関連分野を中心に在庫が増加しており、出荷・在庫バランスは悪化している。また、輸出数量の減少が続いており、7〜9月期の成長率を押し上げた輸出が弱含んでいる。景気動向指数をみると、CI(コンポジット・インデックス)先行指数は5月をピークに低下に転じた可能性があり、年内に景気がピークをつけることが示唆されている。また、原油価格は、足元で水準を切り上げ、1バレル=60ドル台前半の推移が続いている。
3.こうした中、景気の先行きに対する見方は、基本的に前回見通しから変わっていない。景気拡張の期間が、戦後最長のいざなぎ景気を超えた可能性も出てきたが、06年度中に景気後退局面入りとなるとみられる。海外景気の減速が続き、IT関連需要も鈍化する中で、輸出が落ち込み、IT関連財の在庫調整の動きが全体に及んでくると予想される。また、これまでの原油高による交易条件悪化や金融引き締めの影響も見込まれる。さらに、定率減税廃止の影響が、07年1月以降、表れてくることもある。
4.ただ、景気後退は、軽いものになると予想される。まず、世界経済の減速が、緩やかなものにとどまるとみられる。また、国内では、設備・建設投資が中期・長期循環の上昇局面に入っている。一方、海外経済は、07年7〜9月期以降、再加速し、国内企業の在庫調整も、07年度上期には、ほぼ終了することになろう。中長期的な上昇局面が続く中、輸出が改めて勢いを増し、また、08年の北京五輪を見据えた需要も盛り上がり、景気は、07年度下期に再び力強い拡大に転じるとみられる。
5.06年度の実質成長率見通しについては、GDP統計の改訂で、成長の発射台が低くなったことなどから、前回の2.6%を2.0%に下方修正し、07年度は、原油価格の上振れなどを受け、前回の1.6%を1.2%に修正した。
6.金融政策の見通しは、前回から変更はない。日銀は、06年12月調査の日銀短観で、企業の景況感改善や堅調な設備投資計画を確認し、12月18〜19日、あるいは07年1月17〜18日の金融政策決定会合で、追加利上げに踏み切ると予想している(無担保コール翌日物金利の誘導目標を0.50%に)。その後は、景気後退の中、利上げは休止となるが、後退が軽度なため、利下げにも至らない可能性が大きい。一方、07年度下期には、景気が再び力強い拡大に転じ、日銀は、利上げ再開を視野に入れてくるとみられる。07年度末には、利上げ再開となろう。
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