2007、2008年度経済見通し

〜軽い後退局面入りも、07年度下期には再拡大。08年度は力強い展開に〜


【要 旨】

1.06年10〜12月期は、企業部門を中心に、景気の堅調な推移が示された。鉱工業生産の増勢が加速したほか、実質経済成長率は前期比年率4.8%となった。消費の持ち直しに加え、設備投資の増加テンポも加速した。高成長に伴う需給改善もあり、日銀は、先行きについて、展望レポートで示している、景気拡大や消費者物価コアの上昇が継続するとの見通しに沿った動きとなる可能性が高まったとの判断を示し、2月20〜21日の金融政策決定会合で、追加利上げに踏み切ると予想される。

2.ただ、輸出の勢いが落ちており、在庫の増加が続いている。出荷・在庫バランスは悪化しており、非IT関連分野でも、在庫調整圧力が増している。海外景気の減速から輸出の弱含みが続き、追加利上げにより、円高・株安に転じる可能性もある。企業の増益率は鈍化し、設備投資も、目先は、増加に歯止めがかかる公算が大きい。また、個人消費も、雇用・所得の増勢鈍化で、力強さを欠いた動きとなろう。景気拡張期間は、いざなぎ景気を超えた可能性が大きいが、いざなぎ超え後の足元では、既に後退局面入りとなっているとみられる。

3.たが、景気後退は、比較的軽いものにとどまり、07年度下期には、再び力強い拡大に転じ、08年度は一段と堅調な推移を示すとみられる。世界経済の減速が緩やかなものにとどまるほか、IT関連分野の在庫調整が進展しており、中国で開催の北京五輪や米国大統領選が予定されている08年に向けては、シリコン・サイクルが再び上昇局面となると予想される。また、国内では、設備投資や建設投資が中長期的な上昇局面となっていることもある。08年度には、企業部門の堅調さが家計部門へ本格的に波及してこよう。

4.06年度下期中に、景気は後退局面入りするものの、06年度の実質GDP成長率はちょうど2.0%となり、2%成長を確保する。一方、07年度については、景気後退が07年秋頃まで続くものの、07年度下期には、力強い拡大に転じることから、マイナス成長とはならず、1.2%成長と予想される。また、07年度下期からの景気の堅調な推移は、08年度上期には、北京五輪もあって一段と加速し、一段と力強い展開になると予想される。設備投資が増勢を加速させ、個人消費や住宅投資も伸び率を大幅に高めよう。09年度に予想される消費税率の引き上げを控えた駆け込み需要も見込まれる中で、08年度の実質成長率は2.6%となり、00年度以来、8年ぶりの高成長を記録するとみられる。

5.消費者物価コアは上昇が続くことになろう。原油高の押し上げ効果の剥落が予想されるものの、これまでの需給改善の物価押し上げ効果が上回るとみられる。景気後退を受け、07年度下期には上昇幅は縮小するが、需給悪化の度合いは軽微なため、上昇が続くことになろう。一方、07年度下期からの景気再拡大を受け、08年度に入ると、消費者物価コアは、再び上昇ペースを速めてくると見込まれる。

6.07年2月の利上げ実施後は、景気後退の中で、さらなる追加利上げは見送られることになろう。ただし、後退が軽いものにとどまり、消費者物価コアが下落に転じることは回避されることから、利下げにも至らないと予想される。07年度下期からの景気の堅調な拡大と、消費者物価コアの上昇ペースの再加速を受け、08年度に入り、日銀は利上げを再開していくと見込まれる。景気の力強い拡大に加え、消費者物価コアの上昇率の着実な加速が見込まれる08年度には、四半期毎に、0.25%ずつの利上げを実施し、08年度末には、無担保コール翌日物金利の誘導目標は、1.5%まで引き上げられると予想される。

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