北海道と全国の景気比較


【要 旨】

1.景気の拡張が続き、拡張期間の「いざなぎ景気」超えが視野に入る一方で、地域経済の回復のばらつきが指摘されており、回復の実感がないとの声も多い。各種の景況感調査や景気指標をみると、北海道経済の回復の遅れが目立っている。北海道経済については、全国に比べ、景気の底入れ時期が遅い一方で、ピーク・アウトの時期が早く、離陸の際に最後に飛び立ち、着陸時には最初に着地する、「飛行機の後輪」に例えられることも多い。

2.過去の景気基準日付をみると、北海道の景気基準日付が決定されている第5循環以降について、景気の「谷」の時期を全国と比べると、北海道が、総じて遅れている。一方で、景気の「山」の時期も、若干遅れているケースが多い。実際には、景気の「谷」と「山」がともに、全国に比べ「あとずれ」しているかたちだが、拡張期間は、北海道の方が短いケースが多く、後退期間が長くなる傾向がある。

3.また、景気拡張期における企業の景況感の変動をみると、北海道の方が、拡張期における改善幅が小さく、ピークの水準も低くなっている。景気の底入れの時期が遅く、拡張期間が若干短いなか、拡張期の回復が相対的に小さく、到達水準も低いことが、回復感の乏しさにつながっているとみられる。

4.一方、景況感の全国との乖離は、足元で一段と顕著になっており、こうした動きは成長率にも表れている。91年度以降の実質成長率をみると、91〜96年度には、景気対策の効果もあり、北海道の成長率の方が高い年もあったが、97〜03年度の北海道の年平均成長率はマイナスで、全国と比べ1%ポイント近く低い。97年の金融危機を契機に企業倒産が増加し、雇用不安が広がるなか、公共投資の減少が続き、公共投資への依存度の高い北海道経済への打撃が大きくなったといえよう。個人消費や移輸出(全国の輸出との比較)の下方乖離が広がったほか、全国よりも伸びの高かった設備投資も97年度以降は、全国よりも弱い動きとなっている。

5.全国ベースでは、景気の拡張が続き、拡張期間の「いざなぎ景気」超えを果たしたのち、07年初め頃をピークに秋にかけ後退局面となるとみている。ただ、設備投資や建設投資の中長期的な上昇から後退も軽微にとどまり、07年度下期には再び力強い拡大に転じると見込まれ、06年度の実質成長率は3.0%、07年度の成長率は1.7%と予想している。一方、これまでの全国と北海道経済の関係から、北海道経済の成長率を機械的に試算すると、06年度は0.7%成長、07年度は0.2%成長となる(05年度は0.4%成長の見込み)。

6.成長率が全国に比べ低位にとどまる状態が続くとみられるが、こうした状況の打破に向けた動きも出ており、そのひとつが地域資源の有効活用を目指した「産消協働」の取り組みだ。道内自給率を高め、所得流出を減らし、道内の生産額や就業者の拡大を目指すもので、エネルギー分野での可能性が探られている。また、基幹産業である観光分野の活性化に向けた官民一体となった取り組みもみられている。地域経済の自律力を高め、観光資源の基盤整備などを進めるとともに、地域や産業・企業間での有機的な連携を深めるべく、「制度」の整備や「規制緩和」を推進していくことが望まれよう。

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