金融

金融業界 概要

戦後日本の金融システムは長らく、銀行等の間接金融中心型であると指摘されてきましたが、1990年代からは金融システム改革が継続的に進められました。そして2000年代中盤からは市場型間接金融システムが提唱されたこともあり、日本の金融システムは、間接金融と直接金融の複線型に向かって変化する流れを辿ってきました。
金融システム改革の流れを受けて、銀行等を取り巻く経営環境は変化し、その結果として業務内容や収益構造も変化しました。IT革新・フィンテック革命の潮流が重なったことで、金融サービス提供チャネルをはじめとするビジネスモデルはますます変化のスピードを加速しています。
しばしば「金融は経済の黒子」と言われます。金融業界は、自らの貢献対象である実体経済の変化を予見して、適切かつスピーディに変化し続けることが、今後ますます求められます。5~10年後を展望した将来経営計画を策定し、人口減少時代に果敢に立ち向かう姿勢が求められます。

展望・課題

銀行融資をはじめとする間接金融サービスの需要が伸び悩む経営環境は、半ば構造的なものがあり、短期的には変わらないでしょう。銀行融資ニーズが見込まれる分野(例えば医療福祉、住宅ローンなど)には、オーバーバンキング状態を背景に、貸し手が殺到するため、単純な貸出レート競争に陥ってしまいます。
他方で、顧客との長期継続する取引関係を背景とした企業金融の分野では、審査能力や取引姿勢など、貸出レート以外の要素が重要視されるため、単純な貸出レート競争に陥りにくいビジネスモデルを確立する余地があると言えます。収益管理システムをフル活用することで、純利益が確保できるリレーションシップ・バンキングの確立を目指す取り組みが、先進的な銀行では進んでいます。
預金超過分の余資運用において、収益増強のために有価証券運用を積極化する動きは、特に地域金融機関において盛んですが、過剰なリスクテイクには注意が必要です。先進国の国債暴落懸念が台頭する昨今では、ストレステストを実施して自己資本充実度を損なわない水準を見出す等、盤石なリスク管理が不可欠となります。
これからの金融機関経営では、収益基盤を維持・拡充する経営戦略(オフェンス)と、自己資本充実度を維持する経営管理(ディフェンス)のバランス確保が、ますます重要になります。
均質的なビジネスモデルの中、ボリューム競争を繰り広げていたかつての時代では、営業現場におけるセールス競争が重要でした。しかしながら複雑なリスクを抱える中、自己資本充実度を維持し、ビジネスモデル改革を継続的に進める必要がある時代では、本部における企画開発業務やリスク管理業務もまた、金融機関経営の優劣を決定付ける競争要件になるのです。金融機関経営者には、本部の経営管理部門にも、十分なヒト・モノ・カネを配分する判断が求められます。

サービス

  • 人口減少を背景とした銀行の次期経営計画の策定支援
  • 5~10年後を見据えた銀行の収益構造分析と将来収益見通し
  • 銀行の収益管理・原価計算の高度化支援
  • 銀行の動態バランスシートによるNII分析の手法構築支援
  • 銀行の統合リスク管理体制・ALMの現状診断
  • リスク・アペタイト・フレームワークの構築支援
  • 自己資本充実度検証のための統合ストレステスト手法の構築支援
  • 蓋然性のある統合ストレスシナリオの配信サービス
  • 信用リスク管理体制の高度化・内部格付手法への対応支援
  • オペレーショナルリスク管理体制の高度化・先進的計測手法への対応支援
  • コア預金内部モデル手法の構築支援
  • 銀行のチャネル戦略・店舗エリア・マーケティング調査

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