トルコ経済の現状と今後の展望~ 中東北アフリカで最も注目される新興国の今後は? ~
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2012/08/31


○トルコ経済は、リーマンショックにより2009年に大幅なマイナス成長に陥った。その後、当局による金融緩和などを背景に景気は急速に回復し2010年初頭から2011年前半にかけては、四半期ベースの経済成長率が10%を超えるほどであった。しかし、景気過熱は、経常赤字拡大やインフレ率上昇などの副作用をもたらし、これを警戒した当局の引締めによって、足元の景気は大きく鈍化している。


○リーマンショック直後に歳入の減少と景気対策支出の増加によって一時的に拡大した財政収支赤字は、その後の景気回復にともなって再び縮小しつつある。他方、金融セクターも堅調であり、トルコの銀行は、リーマンショックによる衝撃を、IMF支援や公的資金注入なしで乗り切っている。こうした財政と金融の健全性はトルコ経済の大きな強みである。


○トルコ経済の主要な懸念要因のひとつとされているのが、大きく膨らんだ経常赤字である。対外債務返済負担が他の新興国より重いトルコにとって、経常赤字拡大は通貨下落圧力を加速させるリスクを孕んでいる。経常赤字拡大を防ぐため、当局は、当面、景気拡大を抑制せざるを得ない状況である。


○トルコの近年の輸出拡大のリーディングセクターは自動車であり、最大の輸出先はEUである。しかし、最近では、復興需要の盛り上がるイラク向け輸出が急拡大しており、中東北アフリカ地域向け輸出拠点としてのトルコのポテンシャルに関心が集まっている。


○トルコへの外国からの直接投資は、2006年から2008年にかけて急激に増加した。セクター別では、特に、サービス部門への投資増加が目立っている。直接投資流入を増加させた大きな要因として、国有企業の民間売却が実施されたことや、2005年にトルコのEU加盟交渉が開始されトルコの国内法制度がEU並みになるとの投資家の期待が高まったことなどが挙げられる。


○中東北アフリカ地域で民衆暴動(アラブの春)による混乱が広がる中、域内で政治の安定度が群を抜くトルコへの外国企業の関心度が高まっている。今後、中東北アフリカ地域のビジネスにおけるハブ機能を担う国としてトルコへの投資を図る外国企業が増加すると期待されている。


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