南アフリカ経済の現状と今後の展望
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2007/11/29


~ BRICsに続く有望な新興経済大国として注目される南アフリカ ~


○今、BRICsに続く有力なエマージングカントリーとして、南アフリカが注目されつつある。南アフリカは、人口こそ約4,700万人と多くはないものの、一人当たり国民所得はアフリカで最も高く、名目GDPはサブサハラ(サハラ砂漠以南)アフリカ諸国全体の4割を占める経済大国である。


○南アフリカの足元の景気は、アパルトヘイトと決別し新生国家として再出発した1994年以降で最も好調といえる。実質GDP成長率は、2004年以降、3年連続してほぼ5%と順調に推移している。南アフリカは、金とダイヤモンドに象徴される「鉱業」が代表的産業として有名だが、実際には、経済の産出に占める鉱業の割合は低下傾向にあり、供給サイドから見た近年の経済成長の牽引役は、サービス産業と製造業である。


○南アフリカの経常収支は赤字幅が年々拡大しつつあり、主に海外からの証券投資流入増加による資本収支黒字で補填される構造となっている。この点は要注意である。つまり、海外金融市場で何らかのショックが発生すれば、ポートフォリオ投資が低リスクの先進国等へ流出し、資本収支は悪化する。そうなれば、少なくとも短期的にはランド安になるし、南アフリカ当局は、経常収支赤字を縮小させるために財政金融政策を引き締めねばならず、それによって景気が失速することも考えられるからである。


○南アフリカの株式市場規模は、BRICsと比較しても遜色ない大きさである。南アフリカの近年の株価は、カントリー要因(国内景気など当該国固有の要因)よりも、グローバル要因(世界的な資源価格高騰などの外的要因)に大きく影響されている。2005年頃から、資源価格高騰を受けて、南アフリカの株価上昇傾向が顕著になっている。


○南アフリカの金融市場は、外的要因によって大きく左右されやすいという点では脆弱である。しかし、南アフリカの金融システムや経済基盤が欧米先進国と比肩する水準にあることや世界各地で発生した一連の通貨危機の連鎖に南アフリカが巻き込まれなかったことなどを考えれば、南アフリカが、今後、他の一部新興市場国で発生したような大きな経済混乱に見舞われるリスクは低いといえよう。南アフリカは、今後も、アフリカで最も有望な新興経済大国として注目すべき存在であろう。


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