WTO加盟後のベトナム経済
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2008/02/12


~ WTO加盟とチャイナ・プラス・ワンの相乗効果で躍進するベトナム ~


○WTO正式加盟(2007年1月)後のベトナムに対する世界の注目度が高まっている。ホーチミン証券取引所の株価は2006年後半から2007年初頭にかけて急騰し、また、外国からの直接投資認可額も2007年には200億ドルを上回り過去最高となった。


○ベトナムは、東アジアで中国に次ぐ8%前後の高い経済成長率を維持している。また、輸出は、2002年以降、前年比2ケタ台の高い伸び率で増加している。ベトナムは、中国と同様、共産党一党独裁のもとで市場経済化を進め、外資企業の輸出拡大に牽引されて経済が高成長を続けている。ベトナムが「ミニ中国」といわれるゆえんである。


○近年、ベトナムでは、個人消費を中心とする内需も盛り上がりつつある。ベトナムの新車販売台数は、2007年には年間5万台に達した。これは、ASEAN域内ではフィリピンに次ぐ4位である。ベトナムの内需好調は、年間40億ドル(2006年)もの海外在住ベトナム人(越僑)からの送金にも支えられていると見られる。


○日本企業のベトナムへの関心は着実に高まりつつある。日本企業の対ベトナム投資の基本戦略は、低廉な賃金を活かした労働集約型製品の輸出向け生産である。一方、投資先としてのベトナムの課題は、インフラ未整備、法制の未整備、裾野産業の未発達といった点である。ただし、インフラに関しては、各国や国際機関からのODAによるインフラ建設支援が継続されていることもあり、中期的には改善されてゆく見込みである。


○最近、外資企業のベトナム投資への関心が高まった背景として、中国での事業環境が変化し企業が「チャイナ・リスク」を意識しはじめたことも指摘されている。それは、中国での加工貿易への締め付けや、人民元高とベトナムドン安などがきっかけとなっている。台湾の大手エレクトロニクス企業のベトナム進出が2007年に活発化したのも、「チャイナ・リスク」への警戒感が大きな動機であったと見られる。


○少子高齢化が進み人材確保に苦労する日本の製造業にとって、若年人口が多く人件費の低廉なベトナムは労働集約型の生産拠点として重要な存在となろう。また、ベトナム人の学習能力の高さ、忍耐強さ、手先の器用さは、進出日系企業が高く評価しており、日本企業の得意な「擦り合わせ型ものづくり」に適していると言われている。近い将来、ベトナムは、中国、タイと並んで重要な生産拠点になる可能性が高いと考えられる。


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