好調に推移するインド経済の課題
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2008/03/31


~ 規制緩和による供給サイドの改善が必要なインド経済 ~


○インド経済は、工業部門とサービス部門の拡大に支えられ、好調に推移している。インドの経済成長率(年度ベース)は2005年度以降3年続けて8%を超える見込みであるが、これは、インド独立(1947年)以来の記録となる。近年のインド経済は、第二次世界大戦後の建国以来、最も好調な状態にあるといえそうだ。


○インド経済は、東アジアとは違って、工業製品輸出主導ではなく内需主導による成長を続けている。また、インドは、東アジアに比べて輸出に占めるサービスの比重が高いのが特徴的である。インドのサービス輸出の中心は、ITを利用したアウトソーシング・ビジネスであり、インドは、世界最大の「ITアウトソーシング受注国」である。


○インド経済の高成長の原動力である内需の中心は個人消費である。人口の大半を貧困層が占めているものの、中間層の数も増加しており、乗用車や携帯電話などの販売が好調である。ただ、インドのように低所得層が多い国で市場シェアを拡大するためには、やはり低価格商品の投入が重要なポイントであろう。例えば、最近、インドの地場メーカーによる超低価格の小型乗用車開発が話題を呼んでおり、こうした動きは今後加速するであろう。


○好調なインド経済に対する世界の関心は高まっており、インドへの証券投資、直接投資ともに急増している。海外からの資金流入拡大により足元ではルピー高が加速している。インフレ圧力が高まる中で、インド中銀は利上げを続けてきたため、インドと海外との金利差が拡大傾向にある。これは、今後もルピー高を持続させる要因となりそうである。インフレとルピー高への対応が今後の金融政策の焦点となろう。


○昨今のインド経済の高成長や消費市場の急拡大などを受けて、日本企業は、インドに対する関心を強めている。ただ、日本企業は、中国一極集中のリスクヘッジ先もしくはグローバル市場向け輸出拠点としてインドを捉えているのではなく、あくまで国内需要への関心からインド進出を考えているものと考えられる。


○インドのマクロ経済面の中長期的課題は供給サイドのボトルネック解消である。特に、電力・港湾・道路などのインフラ能力不足が深刻であり、外国からの直接投資導入拡大への大きな障害となっている。また、ユーティリティー以外でも、オフィス、工場用地の供給不足が、著しく高水準な不動産価格を生むなどの歪みをもたらしている。供給サイドのボトルネック解消の成否に大きく影響するのは、州政府の改革意欲であると考えられる。


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