消費主導の高成長が加速するロシア経済
全文紹介

2008/08/01


~ 新興経済大国としての存在感が高まるロシア ~


○ロシア通貨危機発生(1998年8月)から10年を経たいま、ロシア経済は非常に好調に推移している。2007年の実質GDP成長率は8.1%という高い伸びとなり、2003年以降、5年連続で6%を上回る高成長率が続いている。景気拡大の牽引役は個人消費であり、実質個人消費は、2004年以降、4年連続で前年比10%を超える高い伸びを続けている。


○近年の原油高を背景とする経済高成長を受けて、新興経済大国としてのロシアへの国際的な注目度が高まっており、特に、国内消費市場の急拡大に対して外資企業は強い関心を持っている。日本企業の間でも、有望市場としてのロシアへの評価が高まりつつある。


○ロシアの景気拡大の原動力は原油価格高騰による巨額の所得移転(貿易黒字)であり、これが内需拡大につながっている。また、原油高による外貨流入増大により2003年以降、ルーブル高が続いている。これも、ロシアの個人消費・輸入の拡大を後押ししている。


○サブプライムローンのロシア経済へのマイナス影響は顕在化していない。むしろ、サブプライムローン問題発生で投資資金が商品市場にシフトしたため原油高が加速し、それがますますロシア経済を押し上げる、という構図になっている。


○世界の投資資金が原油取引市場に集まっていることに加え、新興国経済の高成長によるエネルギー消費急増で原油需要は押上げられ、他方、イラク復興遅れ等により原油供給能力には制約がある。こうした状況を考慮すれば、原油価格が暴落するような事態は当面考えにくい。このため、ロシア経済好調の原動力である巨額の貿易黒字が今後短期間で急減する可能性は低いといえる。したがって、ロシア経済の高成長が大きく腰折れするリスクも当面は低いと見た方がよいであろう。


○今後のロシアにとって大きな課題は、中長期的な経済構造改革の推進である。つまり、中東欧諸国のように外資を積極的に導入し生産性を向上させる必要がある。そのためには投資環境整備が重要であり、その一環としてWTOへの早期加盟実現が望まれる。


○プーチン前大統領に後継指名されたメドベージェフ新大統領はリベラル派であるが、対抗勢力であるシロビキ(強硬派)の影響力は衰えていない。シロビキはエネルギー部門への外資参入を制限するなど、強圧的な姿勢が目立つため、今後のロシア政府の外資に対する政策がどうなるのかについては一抹の不安も残る。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890