ドル・キャリーとドル安・株高・原油高 ~世界経済の構造変化とドル安トレンドの持続性~
全文紹介

2009/11/26


○先進国と新興国の経済成長率の格差は、2000年代に入り急速に拡大した。新興国の経済成長は、世界経済の構造変化を生み出し、デカップリング(米国経済と新興国経済の連動性の低下)への期待が高まっている。


○世界経済の構造変化は、内外の成長率格差にもとづくドル・キャリー取引(米ドルを借り入れ他通貨建て資産に投資する取引)を促し、米ドル相場の持続的な下落トレンドを生み出している。新興国が高成長することによるデカップリングへの期待は、リスク資産市場の相互作用を強め、「ドル安・株高・原油高」の相関が高まっている。


○ドル・キャリー取引による「ドル安・株高・原油高」を促す第一の要因は、中国が一次産品輸入を急拡大させていることである。資源確保の動きを強める中国が、商品相場を押し上げ、新興国の成長期待を高めている。


○ドル・キャリー取引による「ドル安・株高・原油高」を促す第二の要因は、米国の金融部門の改善である。米国のマネー・フローや投資銀行のバランス・シートは、今年に入り少しずつ金融危機前の状態に回復しつつある。


○金融危機によって生じた世界経済の構造変化は、ドル・キャリー取引を持続的な動きにさせる可能性を持つ。ドルの持続的な下落を背景に、「ドル安・株高・原油高」が相互に作用しながらリスク資産投資を拡大させる動きは、金融市場の基調的なトレンドを形成する公算が高い。


○人民元の為替調整も視野に入る中、ドル安は今後の中長期的なトレンドを形成する見通しである。もっとも、新興国への資本流入には足元で過熱感がみられ、一時的な調整リスクの高まりも懸念される。


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