タイ経済の現状と今後の展望 ~ 台頭する巨大新興国にどう立ち向かうのか? ~
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2010/03/29


○タイは、外資導入による輸出産業振興を梃子に経済発展を遂げてきたが、リーマンショックによる輸出急減で景気は大幅に後退し、2009年の経済成長率は、アジア通貨危機以来11年ぶりのマイナスとなった。


○リーマンショックによる景気後退と同時期に、タイでは政治的対立が激化し、バンコク国際空港占拠事件やASEAN首脳会議場乱入事件などが発生した。こうした事件は、タイへの外国人入国者数を急減させて観光セクターに大きな打撃を与え、また、タイの対外的イメージ・ダウンや株価下落圧力にもなった。


○タイ政府の財政出動や金融緩和といった景気対策や、民間部門の生産・在庫調整の進展、海外景気の底打ち・回復などを背景に、タイの景気は2009年1-3月期をボトムに回復傾向が続いており、2009年10-12月期には経済成長率が5四半期ぶりに前年同期比プラスに転じた。


○タイでは、アジア通貨危機後の構造改革によって、過剰な投資・対外借入を招いた要因が是正され、また、不良債権も整理され金融セクターが健全化されるなど、経済体質が改善していた。このため、今回のリーマンショックで、タイ経済は、アジア通貨危機の時ほど大幅な景気後退には陥らず、また、野放図な対外借入による過剰投資で金融危機に陥った他の新興国とは異なり、IMFに支援を要請することもなかった。


○タイは、投資先としての「人気」の面では中国やインドなど巨大な新興国に押され気味だが、実際の投資環境を見ると、インフラや裾野産業が充実しており、総合的に見て他の新興国よりも優れていると言える。実際、タイは、ASEAN域内最大のエレクトロニクス・自動車生産拠点であり、また、新興国の中で、タイは、中国に次ぐ世界第2位の日系企業集積国になっている。


○タイは、経済構造が健全でビジネス環境も良好であり、また、今後の中長期的な経済発展に不可欠なインフラ整備や人材育成に向けた施策も講じていることから、今後も、堅調に経済発展を続けていく公算が高い。


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