日本の対米輸出と対中輸出
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2010/10/29


○2010年4-6月期の実質成長率は前期比+0.4%と3四半期連続のプラス成長であった。日本の景気回復を支えてきたのが、輸出の伸長である。中でも顕著な回復を見せているのは東アジア、とりわけ中国向けの輸出である。


○日本の輸出をやや長い目で見ると、東アジア向けと欧米向け、とりわけ中国向けと米国向けが対照的な動きを見せている。輸出総額に占める欧米向け輸出が縮小傾向で推移する一方、東アジア向け輸出のシェアは拡大してきている。また、輸出を通じた諸外国との結びつきの強さを示す輸出結合度でみても、同様の傾向が確認できる。


○日本の対米輸出を生産工程別の内訳で見ると、最終財(消費財、資本財)が過半を占めており、最終財の中でも消費財の割合が高い。米国は日本にとって重要な最終財の消費国であるため、サブプライム・ローン問題、リーマン・ショックなどから起きた米国の景気停滞、とりわけ消費の低迷が、日本の対米輸出を大きく押し下げ、また回復の遅れにつながっている。


○一方、日本の対中輸出は、最終財ではなく、加工品、部品、資本財で大方の部分を占めている。日本は中国を生産拠点と位置づけ、そのための設備、材料を輸出して、中国での生産拡大に貢献してきた。


○他方で、近年の中国の対外輸出の動向を見ると、消費財の比重が低下し、資本財、中間財の比重が高まってきている。資本財、中間財は、これまで中国の輸出の大半を占めていた消費財に比べ、必要とされる技術の水準が高いと考えられる。中国が次第に技術的にキャッチアップを果たし、いわゆる組み立て工場からの脱皮を徐々に実現していく姿が窺える。このため、中長期的には、これまで展開してきた日本の中間財中心の対中輸出パターンが見直しを迫られる可能性がある。


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