国際商品市況の現状と見通し ~原油、ベースメタル、貴金属、農産物~
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2011/03/31


○国際商品市況は上昇傾向で推移している。その背景として、まず、リーマンショック後の景気持ち直しに伴って各コモディティの需給が改善していることが挙げられる。また、昨年は、米国の金融緩和政策や天候不順等による供給障害がコモディティ価格の変動要因になり、今年に入ると、中東における地政学的要因や日本の大震災・原発事故が各コモディティの価格に様々な影響を及ぼした。


○地政学リスク、資産バブル崩壊、天災、事故などによって、経済の先行きが不透明になると、安全資産とされる金の価格上昇につながりやすい。また、それらが産油国における地政学リスク、エネルギー供給源の破壊などであれば、原油価格を上昇させる要因でもある場合がある。急な原油高は、経済の先行き不透明感を強める要因になることが多く、金高・原油高が続くような状況は、あまり良い経済環境とはいえない。しかし、2011年3月にかけて、原油や金の価格は高止まりしている。また、他のコモディティも総じて、高止まりしている。


○先行きについてみると、エネルギー分野では、日本の大震災・原発事故を受けて、天然ガスや石炭がエネルギー源として見直されるとの思惑が、当面、続くであろう。ベースメタルについては、銅や錫など供給制約が意識されやすい品目を中心に、価格が上昇しやすい状況が続いている。貴金属については、金や銀は経済の先行き不透明感などから安全資産として注目される状況が今しばらく続くと考えられる。一方で、プラチナやパラジウムは日本の大震災によるサプライチェーンの混乱が自動車生産に及ぼす影響が意識されるだろう。農産物は、生産国の天候しだいであるが、高値圏では中国からの輸入注文が弱まるなど、価格上昇にはいったん歯止めがかかってきている。


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