ペルー経済の現状と今後の展望 ~ 南米屈指の高成長・健全性が注目されるペルー経済 ~
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2012/01/20


○今、南米のペルーが有望な新興国として脚光を浴びている。ペルー経済の強みは、高い成長率と健全性である。ペルーの経済成長率は、南米トップクラスであり、また、物価、金利は低位安定し、為替相場も安定的に推移している。一方、外貨準備は高水準に積み上がっており、国際収支や対外債務の面で流動性リスクに直面する可能性は非常に低いと言える。


○ペルー経済の好調をもたらしている最大の要因は、資源価格高騰を背景とする鉱山部門への外国からの直接投資増加であり、それによって国内の投資や個人消費が活気づいている。鉱山部門拡大の背景として、フジモリ政権時代に実施された国営鉱山の民間売却も見逃せないだろう。鉱山を買収した外資系企業によって生産設備が近代化され、生産能力が向上したのである。ペルーは、金、銀、銅、鉛、亜鉛などの鉱物資源が豊富であり、今後も鉱物資源開発関連の直接投資流入が期待できるものと見られる。


○ペルーは、1980年代に経済運営の失敗からハイパーインフレーションが発生し、経済が破綻状態に陥った。しかし、1990年に発足したフジモリ政権のもとで、経済自由化・財政健全化が進められ、ペルー経済は再生した。フジモリ政権以後も、新自由主義的な経済政策は基本的に踏襲されており、財政金融政策は堅実に運営されている。また、ペルーは貿易・投資の自由化にも積極的であり、2009年に米国とのFTAが発効、2010年からTPP交渉に参加し、2011年には日本との経済連携協定(EPA)にも署名している。


○資源ブームに支えられた好調な経済と堅実な経済運営を背景に、ペルー経済に対する国際的な信認は向上している。大手格付け会社によるペルーのソブリン格付けは投資適格水準に達しており、ブラジルやメキシコにもひけをとらないレベルとなっている。


○最近、ペルーから中国向けの銅、鉛、亜鉛などの鉱石輸出が拡大しており、中国が最大の輸出先になりつつある。中国の景気鈍化は、ペルー経済にとって大きなリスク要因のひとつとなるだろう。今後、ペルーは、マクロ経済の安定を維持しつつ、鉱山部門以外の成長セクターを育成することが課題と言えよう。


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