南アフリカ経済の現状と今後の展望 ~ アフリカ随一の新興国は景気拡大を持続できるか? ~
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2012/05/21


○先進国経済の早期回復が危ぶまれる中、ブラジル・ロシア・インド・中国と並ぶ5大新興経済国(いわゆるBRICS)のひとつである南アフリカの経済の堅調さが注目されている。


○リーマンショックで、南アフリカは、個人消費・投資・輸出が全てマイナス成長となり、2009年の経済成長率は▲1.5%とマイナスに転落した。しかし、その後は景気が底を打って個人消費を中心に回復に転じ、経済成長率は、2010年は2.9%、2011年は3.1%と、リーマンショック直前の勢いには及ばないながらも、堅調に推移している。


○南アフリカ中銀の政策金利は、過去30年間で最低の水準(5.5%:2012年5月21日現在)である。南アフリカの金融政策のベースは、インフレターゲティング制であり、足元のインフレ率は中銀目標レンジ(3~6%)の上限に近いが、この物価上昇は一時的なものと見なされているため、早急に利上げが実施される可能性は低いと考えられる。


○個人消費拡大への「重し」となるのが、高水準の家計債務残高である。2003年以降の金利低下局面で家計の借入れが増加し、それが個人消費拡大を後押ししていた。しかし、家計が過剰な負債の調整に乗り出しているため、消費拡大が勢いを増すにはまだ時間がかかりそうである。


○投資については、中期的に見て鈍化局面にあり、欧州経済危機などの影響で企業マインドも好転していない。このため、投資がすぐに拡大するような状況ではないと言える。


○南アフリカは、国際収支構造が脆弱であり、経常収支赤字を、ポートフォリオ資金流入を主体とする資本収支黒字でカバーしている。ただ、財政規律と金融セクター健全性が確保されている南アフリカは、投資家の信認が高く、実際に資本流出超過で国際収支危機に陥る可能性は低いと考えられる。


○南アフリカでは、政府の黒人所得水準向上策もあり、人口の8割を占める黒人の生活水準向上による内需拡大が予想される。これが、今後、中長期的に南アフリカ経済を押し上げる原動力になるものと期待される。


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