ラオス経済の現状と今後の展望~ 発展のビッグ・チャンスを迎える内陸国ラオス ~
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2014/03/06
調査部 堀江 正人


○インドシナ半島の内陸国ラオスは、国民の大半が自給自足的な農業に従事しており、アジアで最も貧しい国のひとつである。ラオスは、国連から後発開発途上国(LDC)に指定されており、一人当たり名目GDPは1400ドルとASEAN最低レベルである。


○ただ、近年のラオスの経済成長はめざましく、足元の経済成長率は8%と、中国にも匹敵する高い伸びである。経済成長の主要な牽引役は鉱山開発や水力発電といった資源関連部門である。また、外国人観光客増加によって、ホテル、飲食、運輸といったサービス部門が拡大したことも、経済成長に寄与した。


○ラオス政府は、2020年までにLDCから脱却することを目指しているため、高成長を指向し拡張的な経済運営を続けてきた。しかし、その副作用で、経常赤字拡大、外貨準備減少といった懸念要因が浮上してきた。


○ラオスは、貿易面で隣国タイに大きく依存している。輸出の1/3がタイ向けであり、主な輸出品目は電力と銅地金である。一方、輸入は、2/3がタイからである。日用品の大半をタイから輸入しているラオスでは、例えば、自動車を購入する際には、ラオス通貨キップでなくタイ・バーツでの支払いを求められる。こうした事情から、ラオス国内ではバーツやドルが広汎に流通しており、銀行や企業のバランスシートにもバーツやドル建ての負債が多い。このため、外貨の流動性が不足すれば、国内金融システムが機能不全に陥る恐れがある。


○最近、日系企業の一大集積地である隣国タイで、人件費高騰、大洪水発生、反政府暴動といったマイナス要因が顕在化し、投資環境が悪化している。これを受けて、タイ進出日系企業の中には、リスクヘッジのために周辺国にタイの生産工程の一部を移管する動きが見られるようになった。こうした中で、タイより人件費の安いラオスに対する日本企業の関心が急速に高まっている。


○ラオスでは、ADB(アジア開発銀行)や日本からの援助によって、ベトナムやタイと結ぶ道路や橋梁などが次々に完成し、これによる物流事情の改善を受けて、工業団地の整備も進んでいる。こうした状況を追い風に、ラオスは、今、製造業関連の外資誘致を拡大させ、経済成長を加速させるチャンスを迎えている。


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