定着する中高年の離婚~多様化するライフコースの選択~
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2015/05/25
調査部 尾畠 未輝


○離婚件数は1990年代終わりに急増した後、2002年に年28万9836組でピークとなった。その後は減少傾向が続いており、2014年の離婚件数は年22万2000組(推計数)だった。


○1990年代後半に離婚が急速に広まった際には、人々の意識にも変化がみられた。離婚に対する抵抗感が和らぎ、離婚が受け入れられやすい環境となる中で、それまでなかなか決断できなかった人が一気に踏み切ったこともあって、離婚がブームのようになった。


○2000年代以降、婚姻期間10年未満の夫妻の離婚が減少しているのに対し、いわゆる”熟年離婚”といった婚姻期間が長い夫妻の離婚は横ばいが続いている。とくに40歳以上の中高年の離婚が定着してきた。中でも、1960年代後半から1970年代前半生まれの世代で比較的離婚に至りやすい傾向がある。


○今後も人口減少と少子高齢化、晩・非婚化の流れが続くことで、離婚しやすい若年層を中心に有配偶者数の減少が見込まれる中、離婚件数は緩やかに減少するとみられる。2020年代前半には離婚件数が年20万組を下回り、1990年代半ば頃の水準に戻るだろう。


○経済的事情と子どもの存在は離婚の決断を大きく左右することが多い。年齢が若いほど、夫が就業者よりも無職の方が有配偶離婚率は高い。一方、妻の側は就業者と無職の間で有配偶離婚率の水準に夫ほどは差がみられないが、25~39歳では無職よりも就業者の方が有配偶離婚率は高くなっている。また、離婚率の高い若い世代を中心に子どもがいる夫婦の数が減少したことで、近年は子どものいる離婚が大きく減っている。ただし、子どものいる離婚ではその後の母子が置かれる生活は非常に厳しいケースが多い。


○最近では、離婚の後、比較的長い期間を経て再婚に踏み出す動きが増えている。再婚件数全体のうち2割弱が前婚解消から10年以上を経た再婚である。とくに中高年の離婚が定着していることもあって、40歳以上の再婚は増え続けている。また、生まれた年が後の世代では年齢が上がってから再婚する人が多くなっている。


○離婚や再婚はプライベートな問題である反面、社会的環境や経済的事情、家庭の状況などによる影響も大きく受ける。ますます長くなる人生では、人々が選ぶライフコースも多様化しており、そうした様々な生き方が広く受け入れられる社会にしていくという発想も必要なようだ。


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