中国を中心に拡大が続く食料貿易
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2017/02/16
調査部 野田 麻里子


○近年、世界の貿易量の伸び率鈍化、いわゆる「スロー・トレード」が関心を集めている。しかし、食料貿易に注目すると、アジアを中心に拡大傾向がみられる。食料貿易の拡大を主に牽引しているのは、経済成長に伴う所得水準の上昇を背景に食料消費水準が高まっている中国である。


○中国で消費水準の上昇と相俟って輸入量が拡大している品目には「ミルク」「乳幼児食」「アルコール飲料」「カフェイン飲料」「野菜」「果物」などがあり、品目によって輸入先はアジア域内にとどまらず、欧州にまで広がっている。


○「一帯一路」政策は中国の輸出拡大の方策とみられることが多い。しかし、食料輸入の拡大という現状に鑑みると「一帯一路」政策によって欧州とつながる輸送インフラを整備することは中国の食料輸入の円滑化に資するという側面も持ち合わせているといえそうだ。


○また、中国の食料輸入の拡大は「爆食」として否定的な見方をされることも多いが、農村人口の割合が相対的に大きな近隣アジア諸国にとって、中国向け農産品輸出の拡大は、少なくとも当面は、これら諸国の経済成長ひいては社会の安定に資するものと考えられる。


○世界の食料貿易の成長をもたらしている中国向けの食料輸出の順調な拡大は、アジア地域、さらには「一帯一路」でつながる欧州諸国にとっても貴重な成長の糧といえるのではないだろうか。


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