米国経済の中期見通し(2007~2015年)
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2007/04/19


~人口増加、生産性上昇、財政改善を背景に、安定成長が持続~


○最近の米国の成長率は、住宅投資の減少などにより、2006年4~6月期以降、3四半期連続で2%台前半に低迷している。しかし、今後10年程度を見渡すと、足元の成長率の低下は一時的にとどまり、3%程度の安定成長を持続する可能性が高いとみられる。


○米国の安定成長を支える要因としては、主に3つあげられる。第一は、ヒスパニックを中心とする人口の増加である。2015年までの米国の人口増加の半分程度を占めるヒスパニックが、個人消費を押し上げよう。


○第二の要因は、生産性の持続的な上昇を背景とした企業収益の拡大である。資本ストック循環からみると、設備投資は拡大が続き、資本蓄積が生産性の上昇を支えるとみられる。また、研究開発投資や政府の政策も生産性の上昇を後押ししよう。業種別では、ハイテク関連とサービス関連が企業部門のけん引役になると見込まれる。


○第三の要因は、財政収支の改善である。1980年代以降、国防費以外の裁量的支出や、年金などの義務的経費が抑制的に運営されてきたことが、財政の中期的な改善に寄与してきた。このため、安定成長とともに歳入の確保が見込まれる中で、米国の財政収支は改善しやすい状況にある。財政の改善は、長期金利を安定させる一因となることで、安定成長に寄与するものと考えられる。


○需要項目別にみると、家計部門、企業部門とも需要の拡大が続く見通しである。海外部門についても、景気拡大を背景とした輸入の拡大が見込まれる一方で、アジアの高成長を背景に輸出の拡大が続くことが予想される。一次産品価格については、足元で高騰しているものの、今後は一服するとみられる。こうした中、物価は安定的に推移し、米国の金利は大幅に上昇する可能性は低いとみられる。


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