日本経済の中期見通し(2007~2020年度)
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2007/11/12


~豊かさを実現する成熟型社会の安定成長~


○わが国の景気は緩やかではあるが安定的な拡大を続け、2002年1月をボトムに始まった今回の景気回復は6年が経過しようとしている。これまで経験していなかったような長期の景気回復が続いているのは、日本を取り巻く内外の経済・社会環境に大きな変化が生じているためである。その変化には、(1)強いドル政策と世界経済の成長、(2)バブルの崩壊からの復活、(3)少子高齢化と成熟型社会への移行という三つの大きな流れがある。


○2020年度までの日本経済は、一時的な減速はあるものの、基本的には緩やかな拡大が続くと予測している。もっとも、最初の5年(2006~10年度)、次の5年(2011~15年度)、最後の5年(2016~2020年度)を比べると、しだいに成長が減速してくるだろう。少子高齢化と成熟型社会への移行という流れが引き続き成長を抑制する要因となり、時間がたつにつれて、その抑制効果が大きくなっていく。バブルの崩壊からの復活という流れは、しばらくは成長率を押し上げる方向で影響するが、しだいに落ち着いてきそうだ。一方で、企業はコスト上昇、国内需要の伸び悩みといった課題に直面し、収益環境は厳しくなっていくだろう。強いドル政策と世界経済の成長という流れは、これからも輸出の拡大などによって日本経済の成長を支えよう。しかし、米国や中国の成長率は中期的にみて低下してくることが見込まれ、高成長を続ける世界経済もしだいに成長ペースが鈍化してくる。


○日本経済の成長率が今後徐々に低下してきても、成長のメカニズムが失われるわけではない。成長ペースが鈍っても持続的な成長が続く中で財政構造が徐々に改善し、信頼できる社会保障制度や年金制度が構築されることが期待される。成熟型社会における安定成長によって個人の豊かさを実現することが可能になってくる。


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