スウェーデン、デンマークに学ぶ高齢化社会の消費拡大
全文紹介

2008/07/31


~女性就労の促進がかぎを握る~


○景気回復が続いても、日本の個人消費は他の先進国と比較して低い伸びにとどまってきた。基本的には所得の伸び悩みと人口の停滞がその原因である。日本の個人消費は、今後加速する人口減少と少子高齢化の下で、中長期的にも伸びが鈍化すると予想される。


○少子高齢化は先進国の多くに共通した課題である。80年代前半に少子高齢化が進展していたスウェーデン、デンマークの近年の動向をみると、80年代後半以降、高齢化の進展が緩やかになっており、近年では人口や個人消費の伸びは日本よりも高い。


○スウェーデンやデンマークの特徴としては、女性の高い労働力率や各種格差が小さい労働市場が挙げられる。フルタイム労働者として働く女性の割合は国際的にみて高く、フルタイム労働者の男女間賃金格差も小さい。女性の高い労働力率を支える政策としては、高水準の家族政策向け政府支出があり、育児休業制度や保育サービスが充実している。手厚い家族政策向け政府支出に対する負担は重いが、将来的に国民の負担となりうる財政赤字も考慮した潜在的純負担は、国際的にみて突出して高いとはいうわけではない。


○日本では、少子高齢化が進展し、労働力不足が懸念されるなか、高齢者と並んで女性の労働力への期待が高まっている。女性の労働参加は、労働力の供給と同時に所得の増加を通じて個人消費の増加にもつながると期待される。女性の労働参加の促進にあたっては、特に子育て期の女性の労働力率を高める必要がある。そのためには、スウェーデン、デンマークを参考にすると、保育サービスの充実と、育児のための勤務時間短縮等の措置などが不可欠である。また、日本では、正社員とパートタイム労働者の賃金格差が国際的にみて大きいが、これを縮小させることも課題となる。


○今後、子育て期の女性の労働力率が上昇していけば、そうでない場合と比較して雇用者が100万人程度増加する。また女性のパートタイム労働者の賃金が上昇して、正社員との格差が縮小した場合、雇用者報酬は1.5%程度押し上げられると試算される。こうした所得の増加に伴って、実質個人消費は1%程度増加すると試算される。


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