期待が高まる女性労働力~活用から活躍に向けての課題~
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2013/11/05
調査部 尾畠 未輝


○就業者全体に占める女性の割合は上昇しており、今後も人口減少と少子高齢化が進むと見込まれる中、女性労働力への期待は高まっている。「日本再興戦略」では、女性のM字カーブの緩和を図り2020年に25~44歳女性の就業率を73%まで上昇させることが目標に掲げられた。これまでもM字カーブの緩和は進んでおり目標は実現可能な水準と考えられるが、目標を達成しても25~44歳女性の就業者数自体は減少することになるだろう。


○1980年以降、女性の晩婚化だけでなく未婚化も進み、25~44歳の有配偶率は低下してきた。もっとも、こうした動きを受けて晩産化は進んできたものの、有配偶者に限ってみると非産化はそれほど進まなかった。1980年から2000年にかけては、就業率の水準が高い未婚女性のウエイトが高まったことで、25~34歳の就業率が大幅に上昇した。


○また、2000年以降は、各種制度の効果もあって25~34歳有配偶女性の就業率も上がったが、有配偶女性の就業率を下支えしたのが非正規雇用の拡大である。女性は男性と比べて非正規雇用比率の水準が高い。企業の人件費抑制姿勢が強まりコストの安い非正規雇用に対する需要が拡大したことで、女性を取り巻く雇用環境は好調に推移してきた。


○女性にとっては、出産や子育てといった前に、まずは「結婚」というライフイベントが就労意識に大きな影響を与える。多くの女性は結婚すると「世帯主の配偶者」という立場になる。男性と比べ女性の賃金カーブは低位に位置しており、機会費用の低さが就労意欲を阻害していると考えられる。賃金が男性と比べて上がりにくいことで、女性は結婚した後、補助的に家計を支える役割に徹する方が良いとの志向になるとみられる。


○今後、25~44歳女性人口は減少が進む見通しであり、就業率の上昇による女性労働力の増加には限界がある。さらに、就業率の上昇が晩・未婚化に拍車を掛けて有配偶女性が一層減ってしまうと、ただでさえ減少が見込まれる出生数はさらに減少が加速することになる。一方、女性労働力を単に活用するだけではなく、活躍させることへの期待も高まっている。より多様な働き方の選択肢が男女平等に与えられることが重要になってくると考えられる中、「ジョブ型正社員」の普及や定着が目指されているが、政策や制度の改革、拡充に期待するだけではなく、企業や社会、女性自身の意識も変わっていく必要がある。


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