2012/2013年世界経済見通し(2012年10月)~欧州の低迷、中国の減速、米国の緩やかな回復~
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2012/10/02


○2012年の世界経済の成長率は3.1%に低下するが、2013年は欧州危機の再燃を回避し、中国で追加の景気支援策が実施されることを前提に、成長率は3.6%に持ち直す見込みである。米国で緩やかな回復が続いていることが、2012~13年にかけ世界経済のアンカーの役割を果たす。


○中国では内外景気の鈍化をきっかけに、高成長期の過剰投資による設備過剰が表面化し在庫調整圧力が高まっている。このため2012年の成長率は7.7%と、リーマン・ショック後を下回り13年ぶりの低成長にとどまる。こうした中、政府は景気支援に本腰を入れ始めている。追加の支援策が打出されることにより、2013年の成長率は8%程度に持ち直す。


○欧州の財政金融危機は、ECBの南欧国債買い取り表明に加え、経済統合の強化と引き換えに危機国への資金支援を継続する方針で各国政府の足並みがそろい始めたこともあり落ち着きがみられる。このためユーロ圏の景気は今年末から持ち直しに転じる。もっとも、危機国の景気低迷は中核国に波及してきており、2012年の-0.5%に続き2013年も0.3%とゼロ成長にとどまる。


○米国は雇用の回復ペースは緩慢だが可処分所得の増加は続き、所得と消費の好循環がみられる。住宅市場は本格回復が視野に入り、企業収益は2013年にかけて3年連続で過去最高益を更新する見通しである。「財政の崖」は年末議会で政治決着が見込まれるが、そのさい財政再建策がセットで示される公算が大きく、2013年も政府支出の減少が続く。このため、成長率は2012年2.2%、2013年2.0%と景気回復は緩やかなペースにとどまる。


○リスク要因は、中国景気の持ち直しのタイミングの遅れと、欧州危機の再燃である。欧州では危機の原因である双子の赤字と低成長に改善のメドが立っていない。スペインやイタリアでは、信用収縮をきっかけに個人消費や設備投資が歴史的な落ち込みをみせ、国内景気の低迷を背景に政治リスクが高まっており、対応を誤れば危機再燃のリスクをはらむ。世界的には雇用の改善と財政再建が各国が取り組むべき最優先課題であり、持続的な経済成長と政府債務削減の道筋を早期につけることが求められる。


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