2013/2014年世界経済見通し(2013年3月)~リスクを抱えながらも緩やかな回復の歩みが始まる~
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2013/03/14
調査部 細尾 忠生、土田陽介


○2012年の世界経済の成長率は3.1%と、好不況の目安である3%近くまで成長率が低下し、景気の減速感が強まった。一方、2013年の成長率は3.4%、14年は3.7%と緩やかな持ち直しが見込まれる。世界経済は、様々なリスクを抱えながら、緩やかな回復の歩みを始めた状況にあるといえる。


○米国では、これまで景気の抑制要因であった家計の債務調整や住宅のストック調整が進展し、自動車購入や住宅投資が景気回復のけん引役となる姿が鮮明になろう。企業収益は2011年から続く最高益の更新が見込まれ、雇用は毎月15万人程度のペースで増加し消費や住宅投資を下支えする。政府支出の減少が続き景気の下押し要因となるものの、民間最終需要は総じて堅調である。


○欧州では、ECBの南欧国債購入スキームにより金融面の混乱は一服したが、内需が総じて低迷しており実体経済の回復力は弱い。米中景気の改善が鮮明になるにつれ輸出主導の回復が見込まれるものの、家計部門の回復が遅れる上、緊縮的な財政政策が続くため、景気底入れ後も回復力は緩慢であろう。


○中国では、景気刺激策の効果により成長率が持ち直した。今年前半は景気対策の効果が見込まれるが、年後半には対策効果の息切れやインフレ率の反転による金融緩和の修正が予想される。かつての2ケタ成長が終焉し、7%程度が巡航速度とみられる中成長局面への移行過程にあるため、過剰設備などの調整圧力も根強く残る。輸出の回復が国内の調整圧力を緩和するが、景気の勢いに弾みがつく状況は望めない。


○上ぶれシナリオは、米国で景気の回復ペースが加速するケースや、財政再建の先送りにより当面の景気下押し圧力が緩和されるケース、欧州では過度の悲観の修正による景気の復元力が想定以上に大きく働くケースがある。また、欧州、中国とも輸出主導の景気回復シナリオを想定しているため、世界経済が上ぶれすれば、輸出の増勢が加速し成長率を押し上げることになる。


○一方、下ぶれシナリオとして、米国で財政協議が決裂しマインドの悪化や金融市場の混乱を招くケースや、ガソリン価格、長期金利が上昇するケースが懸念される。また、欧州では債務問題の再燃に加え、ドイツ以外の国々の景気低迷が続くリスクも残る。中国では、過剰設備の調整に想定以上に時間がかかるなど、中成長への移行がスムーズに進まず、景気の下押し圧力として働くリスクがあろう。


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