2014/2015年世界経済見通し(2014年1月)~世界景気は力強さに欠けた緩慢な回復にとどまる~
全文紹介

2014/01/15
調査部 土田陽介、野田麻里子


○2013年の世界経済の実質成長率は+3.4%と12年(+3.2%)から持ち直した模様である。年間を通して欧州の債務問題が小康状態を保つ中で、年前半は中国の景気減速が、年後半は米国の政策不透明感が世界経済のリスク要因となった。先行き2年の世界経済の成長率は2014年が+3.7%に、続く15年が+3.9%になると予測する。世界の景気の増勢は緩やかな加速にとどまり、力強さに欠けた緩慢な回復となるだろう。


○米国の実質経済成長率は2014年が+2.5%、15年が+2.7%になると予測した。個人消費を中心に基調が底堅い民需が徐々に増勢を強めて、米国景気は緩やかではあるが着実に回復していくだろう。不透明感がくすぶる経済政策に関しては、財政面では、最終的には穏健な健全化路線が敷かれるだろう。金融面では、FRBによるQE3が2014年いっぱいで終了すると見込んだ。一方、政策金利(FFレート)の引き上げについては2015年半ば以降になると考えられる。


○欧州(ユーロ圏)の実質経済成長率は2014年が+1.1%、15年が+1.6%になると予測した。欧州連合(EU)が経済戦略のかじ取りを緊縮から成長へと修正したことを受けて、財政健全化に伴う景気下押し圧力は弱まる。民需も持ち直すが、雇用・所得情勢の改善テンポが緩慢なために個人消費は低空飛行が続き、固定資産投資も力強さを欠く。こうした中で、景気は輸出に依存したかたちで持ち直しが続くとみられる。


○中国の実質経済成長率は2014年が+7.7%、15年が+7.5%になると予測した。引き続き過剰生産能力の解消が課題となる中で、当局は設備投資の集約・合理化を進めよう。他方で、第12次5ヶ年計画の終了を踏まえ、インフラ・環境投資は堅調に推移する見通しである。経済成長の新たなけん引役として期待される個人消費も、所得環境の改善などを映じて好調を維持し、中国景気は総じて巡航速度で推移しよう。


○世界経済の成長を下押しするダウンサイド・リスク要因としては、(1)米国における政策不透明感の高まり、(2)ギリシャを中心とする欧州債務問題の再燃、(3)国際環境の悪化に伴う中国経済・金融の変調、の3つがある。これらの要因が顕在化すれば、力強さを欠く世界景気が下押しされ、回復が失速する危険がある。各国の中央銀行は金融緩和の強化を余儀なくされ、市場は変動が激しい展開になるだろう。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890