2015/2016年世界経済見通し(2015年1月)~米国の利上げを乗り越えて緩やかに拡大する世界景気~
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2015/01/15
調査部 土田陽介、野田麻里子


○2015年の世界の実質経済成長率は+3.5%に、続く16年は+3.3%になると予測した。世界の景気は2015年前半にかけて緩やかに加速するが、早ければ年中頃にも予想される米国の利上げを受けて、2015年後半以降は減速基調で推移するだろう。ただ金融市場は米国の利上げを概ね順調に消化するため、調整は軽微に留まり、世界経済の成長の腰折れは避けられよう。


○米国の実質経済成長率は2015年が+2.8%、16年が+2.4%になると予測した。2015年中頃の利上げ以降、米国景気は減速気味に推移する公算が大きい。もっとも、これまでの景気回復に伴い雇用情勢は着実に改善しており、賃金上昇率が緩やかに高まると予想される。また株価も、景気の底堅さが確認されれば再び緩やかな上昇気流に乗ると考えられる。そのため、景気は緩やかな拡大基調を維持しよう。


○ユーロ圏の実質経済成長率は2015年が+1.0%、2016年が+1.3%になると予測した。世界景気の拡大を受けて輸出が持ち直し、ユーロ圏景気をけん引するだろう。また雇用・所得情勢の改善を受けて個人消費の勢いが緩やかに加速し、さらに建設投資や住宅投資も、戻り歩調を徐々に強めていく。その結果、2016年の景気はわずかではあるが持ち直しの色を濃くすると見込まれる。


○中国の実質経済成長率は2015年、2016年ともに+7.2%になると予測した。ストック調整圧力の下、設備投資を中心に固定資産投資の減速が続き、中国景気を下押しするだろう。反面で、実質所得の増加を背景に個人消費が着実に増加し、また世界景気の緩やかな拡大を受けて輸出も勢いが加速する。政府による景気下支え策も見込めるため、景気の下振れは回避される見込みである。


○なお本予測では、世界経済が米国の利上げを概ね順調に消化できると見込んでいる。しかしながら、金融危機以降初めてとなる米国の利上げが、米国経済そのものの変調のみならず、国際マネーフローの変化を通じて世界経済に強い調整圧力をかける可能性がある点には、一定の警戒を要する。14年後半以降軟調で推移する原油価格の動向に関しても、そのデメリットがある点に十分注意を要しよう。


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