2015/2016年世界経済見通し(2015年7月改定)~世界景気は米国の利上げ後も緩やかに拡大~
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2015/07/09
調査部 土田陽介


○2015年前半の世界景気は、米国景気が大寒波や港湾ストなどを受けて失速したため、年初の『世界経済見通し』で想定した成長テンポよりも下振れしていると推測される。もっとも、米国景気の失速は主に一時的な要因によるものである。ユーロ圏景気の回復が続いているし、中国景気の鈍化も基本的には緩やかなテンポに留まっている。したがって、総じて評価すると、世界景気は引き続き緩やかな拡大基調を維持していると判断される。


○今回の改定見通しでは、15年の世界経済の成長率を+3.3%と年初の『見通し』から0.2%ポイント下方修正する一方で、16年の成長率を+3.3%に維持した。15年後半以降は、まず米国景気が緩やかな拡大基調に回復するとみられる。また欧州景気も、底堅い回復が続くと予想される。そして中国景気も、当局の景気下支え策の強化を受けて減速に歯止めがかかると考えられる。反面で新興国景気が、通貨安や資源安のなかで復調が遅れるため、世界景気の重石になるだろう。米国では早ければ15年9月に利上げが行われるが、金融市場はそれを概ね順調に消化するため、調整の動きは軽微に留まり、世界景気は緩やかな拡大が続く見通しである。


○先行きの世界経済の成長率を下押しする最大のリスクは、米国の利上げ(金融政策の正常化)に伴う金融市場の反応が、予想に反して過剰なものになることである。具体的には、米国で長期金利が急騰し、また株価が急落することに端を発して、世界的な調整圧力が強まることである。こうした事態が生じれば、世界経済は成長の失速を免れない。それ以外にも、債務問題の深刻化などから中国景気が大幅に鈍化するリスクや、ギリシャのユーロ圏離脱や英国のEU離脱に伴う金融市場の混乱リスク、地政学要因に伴い原油価格が急騰するリスクなどには、引き続き注意を要する。


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