2016/2017年世界経済見通し(2016年1月)~世界景気は緩やかに持ち直すものの、後退局面入りの可能性がくすぶる~
全文紹介

2016/01/20
調査部 土田陽介、野田麻里子、土志田るり子


○世界の実質経済成長率は2016年が3.1%増に、続く17年が3.3%増になると予測した。新興国景気が16年後半にも底打ちすることで、世界景気は17年にかけて緩やかに持ち直す見込みである。


○米国の実質経済成長率は16年が2.3%増、17年が2.5%増になるだろう。景気動向から判断すれば、連邦準備制度理事会(FRB)の追加利上げは小幅にとどまる(FFレートは16年末で0.75~1.00%、17年末で1.25%~1.50%と予想)。16年前半の景気は金融市場の調整を受けて一時的に鈍化するものの、その後は調整の一服に伴い、17年にかけて潜在成長率並みの拡大テンポに復そう。


○ユーロ圏の実質経済成長率は16年が1.2%増、17年が1.6%増になるだろう。FRBの利上げを受けて金利に上昇圧力がかかるなど、16年前半は金融市場で調整が生じ、それが景気の重荷となる。ただし欧州中央銀行(ECB)の低金利政策もあって市場の調整は軽微で済み、16年後半以降、経済は緩やかな成長軌道に復すだろう。


○中国の実質経済成長率は16年が6.7%増、17年が6.6%増になるだろう。成長率のすう勢的な低下は続くが、中国人民銀行が追加利下げや預金準備率の引き下げを進めて、景気を下支えする。また政府による「一帯一路(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)」構想や「第13次5ヶ年計画」なども、景気をサポートする。


○新興国景気は16年後半に底を打ち、以降は緩やかに持ち直すだろう。FRBの利上げに伴う金融市場の調整が一服すれば、通貨安の流れも落ち着きを取り戻す。その結果、各国で利下げ余地が広がり、内需が持ち直してくる。外需は先進国景気が回復するものの、中国の成長率が緩やかに低下するため、輸出全体の盛り上がりは勢いに欠ける展開になる。


○先行きの世界経済も、引き続き米中の動向に左右される展開が続く見込みである。米国の追加利上げや中国景気の下振れに伴う懸念の高まりを受けて、世界同時株安など国際金融市場の調整が強まるようならば、世界景気はリーマン・ショック以来の後退局面に突入するだろう。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890