日本経済の中期見通し(2010~2020年度)レビュー
全文紹介

2011/07/15

○この「日本経済の中期見通しレビュー」は、今般の東日本大震災を受けて、2010年12月公表の「日本経済の中期見通し(2010~2020年度)」を見直し、震災が日本経済に中期的に与える影響や、今後の日本経済が進むべき道筋に関して、考察を試みたものである。

○震災の影響により、2010年代前半の成長率は、前回見通しよりも0.2%ポイント低下し、1.2%程度になると見込まれる。10年代後半は、前回見通し並みの成長率0.9%が達成できる見通しである。
 なおこの改定見通しの計数は、これまでと同じ日本経済社会への枠組みに戻っていくことを前提にしているが、今回の震災を契機として、そうした枠組み自体を積極的に作り替えていくことが必要である。

○まずは、被災地域の復興を最優先すべきである。長期的には、エネルギー需給や防災の観点から各地域の役割と連携を見直した新たな国土計画策定が望まれる。

○世界経済にとっては、資源価格の上昇がリスク要因であり続ける。他方、新興国が世界経済に占める地位がますます高まり、21世紀末にはその中心がアフリカへと移っていく。こうした新興国の成長をいかに日本経済の成長に結びつけられるかが重要である。

○世界的生産ネットワークの中で、高機能・高付加価値の部品製造という日本の強みを活かし続けるべきだが、さらに新たなビジネスモデルへの展開促進も望まれる。また規制緩和や教育の拡充により、サービス業の雇用拡大・賃金上昇を実現することが重要である。

○少子高齢化・人口減少の下で公的年金制度を維持するためには、年金受給開始年齢の引き上げは不可避である。そのためには、官民ともに、高齢者が能力を発揮できるような雇用環境を作っていく必要がある。

○これからの日本の社会経済の枠組み構築の根幹として、どのような社会づくり・国づくりを目指すのかという、個人の価値観の上に立った国民的合意こそが重要である。

○今回の震災で世界各国から寄せられた援助に応えるためにも、貿易や資本の自由な移動の促進に努めていくべきである。

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