日本経済の中期見通し(2012~2025年度) ~逆境を乗り越え、捲土重来を期す日本経済~
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2013/01/11
調査部 小林 真一郎


○世界的な金融危機や東日本大震災の発生により、財政再建など重要な課題への取り組みを先送りせざるを得なかった日本経済であるが、ようやく課題に取り組むスタート地点に立つことができた。2013年度~2020年度の日本経済は低成長を余儀なくされるが、これは、財政再建など、これまでは先送りして来た課題に取り組むためであり、その後の成長率の拡大を実現するための準備期間であると位置づけることができる。


○2010年代前半(2011~2015年度)は、2回の消費税率引き上げの影響もあって、実質GDPの平均伸び率は+0.5%になる見込みである。2010年代後半(2016~2020年度)においても、消費税率の15%までの追加引き上げを予想しており、これによって実質GDP成長率の伸びが抑制される。さらに、人口減少率の拡大によって景気の下押し圧力が増す中で低成長を余儀なくされ、平均伸び率は+0.5%にとどまろう。2010年代は潜在成長率を下回る成長にとどまるため、デフレ圧力が残り、消費税率引き上げの影響を除くと、物価は実質的にはマイナス圏内での動きが続く。


○こうした厳しい経済情勢の中で、企業の集約化、合理化の動きが進むことになるが、痛みを伴う産業構造の改革の中で、企業の収益性や生産性が高まっていく。


○2020年代前半(2021~2025年度)は実質GDP成長率が高まっていこう。人口の減少ペースがさらに上昇するため、国内需要には縮小圧力が増すことになるが、それを上回って一人当たりGDPが増加する。実質GDP成長率は平均で+1.0%の伸びが達成されると予想される。潜在的な成長率を上回る成長が可能となるため、デフレから脱却し、物価上昇率も徐々に高まっていこう。


○以上のように、産業や社会構造改革の過程にあると予想される2020年度までは厳しい経済状況が続くが、この期間を乗り切れば、人口減少のマイナス効果を跳ね除ける経済成長の達成が見えてくる。海外経済が想定以上に堅調であった場合や、改革のスピードが速かった場合には、そのタイミングが前倒しされる可能性は十分にあり、その場合に達成される成長率も当社の想定を大きく上回る可能性もある。


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