日本経済の中期見通し(2013~2025年度) ~緩やかに減速する中で底堅さは維持~
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2014/01/23
調査部 小林 真一郎


○日本経済は2012年秋に底を打った後も順調に持ち直してきており、アベノミクスへの期待感もあって、先行きにも楽観的な見方が広がりつつある。懸案であった財政問題についても、2014年4月からの消費税率の引き上げを控え、ようやく再建に向けて動き始めた。しかし、中期的な課題の多くについては未解決のままであり、現在の日本の置かれた立場は、多くの重たい課題に向けてようやくスタートを切ったばかりの状態であり、この先の道のりは長い。こうした中で、5年ごとの実質GDP成長率の伸びは以下のように見込まれる。


○2010年代前半(2011~2015年度)は、2回の消費税率引き上げはマイナス要因ではあるが、内需の落ち込みを外需でカバーできること、リーマン・ショックの影響で落ち込んだ後の反動増の動きが加わることから、実質GDPの平均伸び率は+1.0%に高まる見込みである。


○2010年代後半(2016~2020年度)においても、消費税率の15%までの追加引き上げを予想しており、これによって実質GDP成長率の伸びが抑制されるという基本的な景気の流れは変わらない。消費税率引き上げ前の駆け込み需要と反動減を繰り返しながら、実質GDPの平均伸び率は+0.8%に鈍化するであろう。ただし、東京オリンピック・パラリンピックの開催を控えて公共投資が一時的に増加する可能性があること、労働力人口の減少を背景に労働需給が引き締まって賃金が緩やかに増加してくることなどが景気の下支え要因となる。


○2020年代前半(2021~2025年度)は、1人当たりGDPでは2010年代と同程度の伸びを維持できるものの、人口減少ペースが加速することによって景気の下押し圧力が増すため、実質GDPの平均伸び率は+0.7%とさらに弱まる見込みである。労働力の減少が続き、供給能力の減少が懸念される中で、より効率的に経済成長を達成するために、企業の集約化や合理化が進む可能性がある。


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