2007/2008年度経済見通し(2007年5月)
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2007/05/21


~四つの懸念を超えて続く緩やかな景気回復~


○景気は緩やかな回復を続けているが、一部に減速の動きが出てきた。今年1~3月期の実質GDP成長率は前期比+0.6%(年率+2.4%)と9四半期連続のプラス成長となり、名目成長率も同+0.3%(年率+1.2%)と緩やかな拡大が続いている。しかし、輸出や個人消費の拡大が成長に寄与する一方で、内需の柱の一つである設備投資が前期比-0.9%と5四半期ぶりに減少した。設備投資は4年近く増加トレンドを続けてきたが、ここにきて企業の投資姿勢がやや慎重になってきている可能性がある。


○先行指標である機械受注の動きからみて、設備投資の減速はまだ続く可能性がある。また、米国経済の減速が日本からの輸出に影響する可能性も残っている。さらに、半導体や液晶などデジタル関連財では、在庫を減らすための生産調整が続いている。


○しかし、今年後半になると景気は再び加速してくる。米国経済の減速が一巡して日本からの輸出にプラスに働く。デジタル関連財の在庫調整に目処がつき生産が拡大してくる。輸出や生産の加速は企業の収益環境を改善するため、設備投資の拡大ペースがまた高まってくる。この間、個人消費は緩やかな拡大を続け、景気を下支えする。2007年度の実質成長率は+2.0%と6年連続の、また名目成長率は+2.1%と5年連続のプラス成長となり、GDPデフレーターは10年ぶりにプラスに転じると見込まれる。


○2008年度も緩やかな成長が続く。世界経済の成長という良好な外部環境が続く中、輸出の拡大が生産を増加させ、さらに企業収益の改善を背景に設備投資が増加する。企業部門の回復ほどではないが、雇用・所得環境が改善していく方向に変わりはなく、個人消費は緩やかに増加して、成長を下支えする。2008年度の実質成長率は+2.3%、名目成長率は+2.6%と、名実ともに2%台の成長が続くだろう。


○(1)米国経済の減速、(2)設備投資の減速、(3)個人消費の脆弱性、(4)消費者物価の下落という四つの懸念材料には注意が必要だが、景気の減速は一時的なものにとどまり、日本経済は緩やかな回復を続けるだろう。


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