2007/2008年度経済見通し(2007年11月)
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2007/11/15


~サブプライムローン問題では変わらない中期的な安定成長軌道~


○景気は緩やかな拡大を続けている。7~9月期のGDP成長率は、実質で前期比+0.6%(年率+2.6%)、名目で同+0.3%(同+1.4%)と、ともに前期のマイナス成長からプラス成長に戻った。前期の成長を減速させた設備投資と輸出が持ち直し、個人消費は緩やかな増加を維持した。一方、住宅投資は、6月20日の改正建築基準法施行後の住宅着工の急減が影響して大幅な減少となり、成長率を押し下げた。


○先行きについての懸念材料はあるが、景気は緩やかな拡大を続ける。米国経済は2%程度の成長ペースに減速するが、新興国や資源国を含めた世界経済全体では堅調な成長が続き、日本からの輸出環境は恵まれた状態が続く。踊り場を脱し増加してきた生産は、輸出の拡大に支えられて、今後も増加基調を続ける。生産の増加は、企業収益の改善を伴い、設備投資も拡大基調を続ける。2007年度の実質経済成長率は、+1.7%と前年より鈍化するものの6年連続のプラス成長を達成するだろう。


○2008年度も緩やかな成長軌道が続く。金融市場の混乱も落ち着き、世界経済は成長を続ける。輸出の拡大が生産を増加させ、さらに企業収益の改善を背景に設備投資が増加するという成長メカニズムが続く。加えて、雇用所得環境の改善が続き、個人消費は緩やかに増加して成長を下支えする。公共投資は減少が続くが、住宅投資は今年度の大幅減少の反動が出て大きく増加し成長率を押し上げる。年度後半には、海外景気が減速し輸出を中心に景気が減速するものの、2008年度の実質成長率は+2.2%と2%程度の成長軌道を維持する。また、GDPデフレーターは消費税率の引き上げがあった97年度以来11年ぶりにプラスに転じ、名目成長率は+2.4%と高めの成長となる。


○日本経済の先行きについては、サブプライムローン問題、原油価格の高騰、改正建築基準法施行の影響、改善の動きが一服してきた雇用環境など、さまざまな懸念が指摘されている。それぞれある程度のマイナス効果を景気に与えることになるため、今年度後半に景気拡大ペースが加速するというシナリオはあまり期待できなくなってきた。しかし、足元で続いている景気拡大のトレンドが変わることはなく、2%程度の中期的な安定成長軌道が続くだろう。


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