2008/2009年度経済見通し(2008年2月)
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2008/02/18


~働けど働けどなお我がくらし楽にならざり~


○景気は緩やかな拡大基調を続けている。10~12月期の実質成長率は内外需ともに拡大し前期比+0.9%(年率+3.7%)と高い成長となり、名目成長率も同+0.3%(年率+1.2%)とプラスを維持した。一方、GDPデフレーターは前年同期比-1.3%と、輸入物価が上昇した影響でマイナス幅が拡大したが、輸出入物価を除いた国内需要デフレーターは小幅上昇した。


○2007年度の実質経済成長率は+1.6%、名目成長率は+0.8%と予想する。輸出の増加による外需のプラス寄与が成長を牽引したが、内需の柱である個人消費や設備投資の拡大が減速し、改正建築基準法施行の影響で住宅投資が大きく減少したため、2003年度から続いてきた実質2%の成長軌道からは下振れすることになる。


○2008年度の成長率は、実質も名目も+1.9%を予想する。サブプライムローン問題や原油価格の高騰など先行きに対する懸念が続くが、景気は緩やかな拡大を続けるだろう。米国をはじめとして世界経済は減速するが、拡大基調は続く。輸出が拡大する環境が維持されるので、生産は踊り場を挟みながらも増加していく。原油価格の高騰が影響して収益環境は厳しさを増すが、設備投資は増加基調を続ける。労働需給の引き締まりを反映して賃金はわずかながら増加し、個人消費も拡大が見込まれるが、物価の上昇が消費の拡大ペースを抑える。改正建築基準法施行の影響が薄れて住宅投資は持ち直すが、住宅市場は調整しており、法改正前の水準に戻るのは難しい。


○2009年度は実質で+1.8%、名目で+1.7%を見込む。減速しながらも世界経済の拡大が続くため、輸出の増加を起点にした日本経済の成長メカニズムは維持される。もっとも、原油価格の上昇が企業収益を抑える要因となり、設備投資の増加ペースは緩やかなものにとどまる。名目賃金が増えても実質賃金の拡大は難しく、消費の増加は限定的であろう。


○サブプライムローン問題が最大の関心事となっているが、それとは別のところでも日本経済の先行きの不安が広がっている。交易条件の悪化は一国の購買力を低下させる。企業はなかなか利益が上がらず、消費者の実質所得が増えない。「働けど働けどなお我がくらし楽にならざり」といった状況がじわじわ広がってくることが、日本経済の先行きにとっての大きなリスクになってきているのではないか。


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