2008/2009年度経済見通し(2008年8月)
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2008/08/15


~回復か、後退か、それは問題ではない~


○景気はすでに後退しているとの見方が広がっており、先行きに対する懸念が強まっている。今年4~6月期のGDPは実質・名目ともにマイナス成長となり、エネルギー・原材料価格の上昇や欧米経済の減速が、国内の企業・家計部門の経済活動へ広く悪影響を及ぼしてきていることを示す結果となった。


2008年度は、世界経済の減速と原油価格の高騰という二つの外的ショックが影響して、1年ぶりのマイナス成長で幕を開けたが、今年度中はこれらのショックを吸収していく過程が続くだろう。実質成長率は+1.2%とプラス成長が続くが、改正建築基準法施行によって住宅投資が大幅に減少した2007年度よりもさらに低い成長となる。名目成長率も+0.9%とプラス成長が続くが、小幅な成長にとどまる。


2009年度は、減速していた欧米景気が持ち直してくる一方で、調整していた原油価格も上昇してくる。もっとも、比較的しっかりした世界経済の成長と高水準の資源価格という基本構図は2008年度と変わらない。成長率が大きく低下することもないと同時に、高まっていく材料も見つけにくい。実質成長率は+1.3%と2008年度とほぼ同じ水準を予測する。


○その後も日本経済を取り巻く環境に大きな変化はなく、2010年度の実質成長率は+1.4%、名目成長率は+2.4%と予測した。個人消費と設備投資という内需の柱が緩やかな増加を続け、輸出も世界経済の成長を背景に堅調に増加すると予想した。


○景気が後退しているとの見方が広がり、次はいつボトムをつけて回復してくるのかという点に関心が集まっている。しかし、実際の景気はピーク、ボトムがはっきりしない状況が続くのではないか。日本経済は減速しながらも何とか成長を維持するだろうが、交易条件の悪化によって所得が海外に移転し、企業にとっては儲けにくい、個人にとっては稼ぎにくい状況が続く。経済成長に力強さが出てこない中で、日本経済の先行きに対する閉塞感が広がってくることが今一番の問題であろう。


○閉塞感を打ち破るのは個々の民間企業の知恵と活力である。そうした民間の動きが広がりやすい環境を整えること、同時に経済構造の変化に伴う痛みを強く受けるところに最低限必要な対策を打つことが、政府に求められている役割だろう。


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