2008/2009年度経済見通し(2008年11月)
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2008/11/19


~戦後最長の景気回復のあとは、戦後最長の景気後退?~


○景気の後退が続いている。原油など資源価格の高騰による輸入の拡大が名目成長率を押し下げていたが、これに加えて世界経済の減速が輸出を下押しして、設備投資や個人消費にもマイナスの影響を及ぼしており、実質成長率の減速が鮮明になっている。


2008年度は、世界経済の減速と原油価格の高騰という二つの外的ショックが影響して、年度前半はマイナス成長が続いた。年度後半も世界経済の減速がさらに強まり、日本からの輸出環境は一段と厳しくなるだろう。設備投資の減少や個人消費の伸び悩みが続き、景気後退が続く。2008年度の実質成長率は-0.6%と7年ぶりの、名目成長率も-1.3%と6年ぶりのマイナス成長を予測する。


2009年度も日本経済を取り巻く環境に大きな変化はなく、景気の後退が続く。世界の金融市場の混乱は各国の協調した政策対応もあり、徐々に落ち着くことを想定しているが、世界経済の成長率は2008年度に続き低い水準となろう。このため、日本からの輸出ははっきりした回復基調には至らず、設備投資や個人消費といった内需も低調な推移が続く。実質成長率は-0.3%と2年連続のマイナス成長を予想する。一方、名目成長率は+1.1%とプラス成長を予測する。原油など輸入価格の下落がGDPデフレーターを上昇させ、名目輸入を減少させることが名目成長率を押し上げる。


2010年度になると、減速していた世界経済の成長率が加速し、輸出の増加によって日本経済にも持ち直しの動きが出てくる。個人消費や設備投資も緩やかながら拡大し、実質成長率は+1.1%、名目成長率は+0.6%を予測する。


○バブル崩壊後の90年代前半と第2次石油ショック後の世界同時不況となった80年代前半は長い景気後退を経験した。今回は国内ではバブルが発生しておらず、バブル崩壊後の景気後退の時とは環境が違う。ただ、海外でさまざまなバブルが発生しており、日本経済はその恩恵を享受して輸出を拡大させ、戦後最長の景気回復を実現することができた。海外のバブルがはじけて金融危機が発生し、結果として世界同時不況の様相が強まってくれば、戦後最長の景気後退が現実味を帯びてくる。


○今回の景気後退がどの程度続くのか。マイナス材料としての世界経済の減速の度合いと、プラス材料となる原油価格の下落の影響、そして新たな懸念材料となってきた国内の金融不安という3つが重要なポイントとなってくる。


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