2009/2010年度経済見通し(2009年8月) ~回復に転じるも楽観視できない景気の先行き~
全文紹介

2009/08/19


○2009年4~6月期の実質GDP成長率は、前期比+0.9%(年率+3.7%)と5四半期ぶりにプラスとなり、輸出の底打ちと経済対策の効果で景気が回復軌道に乗りつつあることを示す結果となった。しかし、景気の持ち直しの動きの一方で、雇用・所得環境や設備投資などは悪化に歯止めがかかっていない。景気の先行きについては、決して楽観視できる状態ではない。


2009年度は、輸出の回復と経済対策効果による押上げによって、景気の持ち直しの動きが継続する見込みである。2009年度の実質成長率は、前年比-2.9%と2008年度の同-3.2%からマイナス幅が小幅縮小するにとどまるが、これは2008年度後半の急激なマイナス成長によって年度のゲタが-4.2%と大幅なマイナスとなっていることが影響しており、この影響を除いた成長率は+1.3%と前年度から大幅に回復する。ただし、年度末にかけては、輸出の増加ペースが一服し、経済対策効果が一巡するため、景気回復のペースが鈍ってくる可能性が高い。


2010年度は、景気回復の動きは続くものの、経済対策効果の息切れ、所得・雇用環境の改善の遅れを背景とした個人消費の低迷により、拡大のテンポはかなり鈍ってくる。外需の持ち直しが続くため二番底の危機は回避される見込みだが、景気が失速する懸念が台頭する局面も出てこよう。2010年度の実質成長率は前年比+0.7%を予測する。2009年度に比べて成長率が高まるように見えるが、これは2009年度の成長によってゲタ(+0.6%)を履いていることが影響している。年度中の成長率を見ると実質では+0.1%とほぼゼロ成長にとどまる。


2011年度も景気回復の動きが継続しようが、回復ペースは鈍く、景気回復の実感に乏しい状況が続こう。実質成長率は前年比+1.1%とバブル崩壊後の長期低迷期並みのプラス幅にとどまろう。


○2008年秋以降の急速な景気悪化の後、日本経済を取り巻く景色がすっかり変わってしまった。景気が短期間のうちに元の水準まで回復することが難しい以上、企業も新たな環境を前提とした経営の立て直しが必要となってくるが、こうした動きが長期間にわたって景気回復の重石となり続ける懸念がある。


全文紹介 前のページへもどる

ページの先頭へ

1234567890