2010/2011年度経済見通し(2010年5月) ~2010年度後半の調整を経て、2011年度は自律的回復へ~
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2010/05/24

○2010年1~3月期の実質GDP成長率は、輸出増加とエコカー減税・補助金、エコポイント制度といった経済対策の効果により、前期比+1.2%(年率+4.9%)と4四半期連続でプラスとなった。外需頼みであった2009年度前半の状況に対し、2009年度後半は総じて内外需のバランスが取れた成長となっており、景気の足取りもしっかりしてきている。景気の現状については、ボトムから立ち上がってくる初期の段階の状況を示す「持ち直しの動き」ではなく、すでに「回復しつつある」段階にあると考えてよさそうだ。

○今後の景気の懸念材料として、輸出の下振れと政策効果の剥落が挙げられる。前者は、欧州での信用不安の高まりなどから海外経済が混乱し、輸出の落ち込みによって景気回復の勢いが削がれてしまうリスクであり、後者は、需要の先食いによって政策効果が途切れる2010年度後半に、個人消費の落ち込みを原因として景気が失速するリスクである。欧州での信用不安の高まりは、なお予断を許さない状況が続いているものの、金融市場の混乱や金融機関の経営破たんを通じて世界経済に大きな打撃を及ぼす最悪の事態は回避されよう。また、政策効果の剥落で個人消費が落ち込み、景気が足踏み状態に陥る可能性があるものの、家計の所得に持ち直しの動きが出てきている、薄型テレビの潜在需要が大きいといった理由から、一時的な落ち込みにとどまり、景気を失速させるには至らない。

○2010年度は、前半は政策効果によって個人消費が底堅い動きを続け、設備投資と住宅投資の底打ちにより景気回復が続く。しかし、後半は政策効果の剥落により回復の動きが一時的に弱まり、成長率の前期比の伸びがマイナスとなる局面もあろうが、景気が足踏み状態に陥っても失速するには至らない。2010年度の実質GDP成長率は前年比+2.0%を予想する。もっとも、これは大きなゲタ(+1.5%)を履いていることが影響しており、年度中の成長率を見ると実質では+0.5%にとどまる。

○2011年度には、輸出の増加が企業や家計の所得を回復させ、それが民需へと波及する動きが続き、景気は自律的な回復軌道に乗ってくる。雇用・所得の改善も進むため、落ち込んだ個人消費も持ち直してくる。2011年度の実質GDP成長率は前年比+1.4%を予想する。前年度の伸びから縮小するが、ゲタ(+0.2%)の影響は小さく、年度中の成長率は+1.2%と勢いは強まる。また、外需寄与度+0.1%に対し、内需寄与度が+1.3%にまで高まるなど景気の自律的な回復の動きが強まり、デフレ圧力は徐々に小さくなってくる。

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